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幸福ホルモンを分泌させる「セクシャルセルフケア」

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こんにちは、ライターの村上です。この連載もいよいよ10回目、最終回となりました。ここまで、植物療法士・森田敦子さんの著書『潤うからだ』を通じて、これまで誰からも教わることのなかった「膣まわり(=デリケートゾーン)」と女性の健康や幸せとの関係についてお伝えしてきました。今回は、その膣まわりと切り離すことのできない「セクシャリティ」について考えてまいりましょう。

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セックスは“幸福ホルモン”の源。
他人事にしていたら、もったいない!


日本人のセクシャリティについて考えるにあたって、まず見過ごせないのは“セックスレス問題”ではないでしょうか。イギリスの大手コンドームメーカーが実施しているセクシャリティに関する世界的な調査によれば、日本は「1年間にセックスする回数」「セックスの満足度」ともに、世界数十カ国のなかでたびたび最下位にランキングされてしまう残念な結果に。最近では、日本国内を対象とした同様の調査も行われていますが、たとえば2017年の最新調査では「この1年間で1回もセックスをしていない女性」は、40代で約45%、50代では約62%。別の調査では、“日本の夫婦の約半数はセックスレス”という状況も明らかになってきています。今や日本は、間違いなく“セックスレス大国”なのです。

実際に、森田さんが女性たちに「最近、セックスしていますか?」と尋ねると、働き盛りの30〜40代は「今は仕事が恋人」「キャリアが優先」と言い、閉経を迎えた女性たちは「もうそんな年齢じゃないから」と答え、20代女子でさえ「興味ありません」と消極的なことも少なくないそう。森田さんはそんな現状について「性欲がわかないのは、女性として、心とからだの健康を心配してあげなければいけないサインかもしれません。」と警鐘を鳴らします。「本来、性欲は、食欲や睡眠欲と並ぶ三大欲求。“人間には死ぬまで性欲がある”ことは、科学的にも証明されています。」そして何より、「セックスをしないのは、もったいないこと」とも。というのも、セックスは、他のどんなことからもなかなか得られないほど強力な“幸福ホルモン”を分泌させてくれる行為なのです。「女性はエクスタシーを感じると“β−エンドルフィン”と“オキシトシン”という多幸感をもたらす二種類のホルモンを分泌します。幸福ホルモンというと、恋をすると分泌される“セロトニン”が有名ですが、前者ふたつがもたらす幸福度合いは、それと比べても別格。仕事のストレスも吹き飛ばすケタ違いのパワー。フランスの女性は、疲れた日にこそセックスをするんですよ。」
 

健康管理の一環にも!?
セクシャルセルフケアのすすめ。


では、「セックスはしたいけれどパートナーがいない」という場合は一体どうしたらいいのでしょう? 森田さんは「そんな時は、迷うことなくセクシャルセルフケアを。」とすすめます。「セクシャリティがまったくないよりは、自分で起こしている方がよほど健全で健康的。幸福ホルモンの分泌も叶いますし、膣萎縮の予防にもなります。」しかしながら、この“セクシャルセルフケア”、おそらくセクシャリティにまつわる話のなかでも最上級にタブーなトピックスではないでしょうか。ちなみに、前出の全国調査によると「マスターベーションをしている」は、男性約70%に対し、女性は約16%。この結果、はたして本当でしょうか・・・?

それはさておき、私には、セクシャルセルフケアについて気軽に話せる友人が何人かいます。いずれも、そんな話をできるようになったのはここ数年のことですが、“後ろめたい秘めごと”感満載のセクシャルセルフケアも、誰かと共有できるようになったことで、買い物をしたり、美味しいものを食べたりすることと同じ“一般的なお楽しみ”に変換された気がしました。他人に迷惑を掛けるわけでもなし、手軽に快感が味わえて幸福ホルモンも分泌でき、膣の粘液力もアップするなんて、いいこと尽くし(笑)。 森田さんが言うには、フランスでは、セックストイがデパートにずらりと並んで販売され、中高年のご婦人たちも楽しげに購入されて行くそう。日本でも、そんな光景が当たり前になれば、もっと大らかにセクシャリティを楽しめるようになるのかもしれません。
 

今、あらためて向き合いたい、
女性の人生に豊かさをくれるもの


セックスもセクシャルセルフケアも、膣まわりのケアも、すべては繋がっていること。そしてそれらは、生まれてから死ぬまで当然一生ついてまわる“女性であること”を大切に扱い、豊かに輝かせてくれるものに他なりません。世界に比べて膣まわりへの意識が遅れていると知ったなら、まずは真似することから始めてみませんか? セックスやセクシャルセルフケアについても、包み隠さず露わにしようというのではなく、何歳になっても女性らしくすこやかにあり続けるための習慣として、ごく普通に語り合えるようになればいいのだと思います。森田さんは、「女性として魅力的に輝く最大のコツは、膣まわりのケアをすること」と教えてくれます。人として、女性として成熟期を迎えつつあるミモレ世代だからこそ、「潤い」を満たす新習慣を、楽しくポジティブに取り入れていきましょう!

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<新刊紹介>
『潤うからだ』
森田 敦子 著 ¥1200 ワニブックス
「あなたは、膣まわりのケアをきちんとしていますか?」この質問に自信を持って「ハイ!」と答えられる日本女性は、たぶんそう多くはないでしょう。日本での植物療法の第一人者である森田敦子さんが、本場フランスに留学していた当時、何よりも驚いたのは、日本人とフランス人との膣まわりに対する意識の差だったそう。生理や排泄、セックスから妊娠、出産まで、膣まわりは女性の人生にとって欠かせない場所であり、実は、からだのなかで最も繊細な器官。そんな大切な膣まわりとの向き合い方を、植物療法士としての豊富な知識と経験をもとに、多角的に解説しています。膣まわりは、女性の健康や精神バランスを推し量る上でも、重要なバロメーター。正しい知識と的確なケアを知ることで、女性が女性らしく輝ける「潤うからだ」を手に入れたい!

 

(この記事は2017年10月16日時点の情報です)
文/村上治子 構成/川良咲子(編集部)