2018.4.5

【シネマコレクション・15】
初めての吹き替えに挑戦『アベンジャーズ』

米倉涼子さんが、過去に観た映画を紹介するアーカイブ コレクション。
そのときに観た映画から、米倉さんの生き方、価値観が垣間見えます。

Walt Disney Studios Motion Pictures / Photofest / ゼータイメージ

マーベルコミックのヒーローたちが大集結したアクション大作『アベンジャーズ』。スカーレット・ヨハンソン演じる元スパイ、ブラック・ウィドウの日本語吹き替えを担当したご縁で、当時、この映画のLAプレミアに参加しました! 完成したばかりの映画を向こうのみなさんと一緒に観たのですが、本物の街をふたつくらいは破壊したんじゃないの⁉ というくらい壮大なスケールにまずはびっくり。あらゆるギャグに大声で笑う観客の反応も日本とは違い、とても面白かったですね。

このとき吹き替えもはじめての経験だったのですが、もちろんハリウッドのレッドカーペットを歩くのも初体験。自分が出演しているわけではないからドレスはあまり頑張りすぎず、日本人は若く見えるのでセクシー系よりもかわいい系を選んでみました。本場のレッドカーペットはゴージャスでありながら、日本よりもっとラフ(笑)。そんな雰囲気のなかで、私も楽しみながら歩くことができました。

 そして翌日にはなんと、英語でのインタビューにチャレンジしたんですよ! 機内で必死に覚えた質問をスカーレット、ジェレミー・レナー、ロバート・ダウニーJr.、マーク・ラファロ、ジョス・ウェドン監督にぶつけてみました。“聞くのはタダ”の精神で「続編があったら私の役はある?」って全員に質問してみたんです。監督からは「今日ここで俺と話したから大丈夫」という返事をいただき、調子いいな〜と思いつつ、やっぱりうれしかったりもして。キャストのみなさんに「私にはどんな役がいいと思う?」と聞いたら、スカーレットは「あなたにはムーンストーンというキャラクターがいいわ!」と言ってくれたので、研究しておこうかと思っています(笑)。その後、ホテルのエレベーターでジェレミーに会ったら「ブラック・ウィドウ!」と声をかけてくれて、短い時間のインタビューだったのに覚えてくれたんだなって、とても感激しました。

 スカーレットに吹き替えする際の注意点を聞いたら、返ってきたのが「ジャック・ダニエルをたくさん飲んで酔っ払って、たばこを吸っているようなハスキーな感じで」というアドバイス。実際にチャレンジしてみたアフレコは、想像以上に難しかった! アクション映画の経験はあるので動きのあるシーンは大丈夫でしたが、普通のセリフのシーンが大変でした。スタッフからは「滑舌が悪いからもう1回」「わざとらしくなったか らもう1回」とビシビシ厳しい言葉が飛んできて、ちょっと落ち込んでしまったほど。でもスカーレットの口の動きに合わせることにも慣れてきた後半はスムーズに進み、はじめてにしてはなかなかの優等生だったかも⁉ LAプレミアでの貴重な経験も含めて、私にとってはとても刺激的な、吹き替え初挑戦でした。

『アベンジャーズ』
地球の支配を目論む邪悪な神、ロキによって侵略へのカウントダウンがはじまった世界。人々を救うために最強のヒーローたちが集結する。

取材・文/細谷美香
このページは、女性誌「FRaU」(2012年)に掲載された
「エンタメPR会社 オフィス・ヨネクラ」を加筆、修正したものです。

 

PROFILE

米倉涼子/1975年、神奈川県生まれ。ミュージカル『シカゴ』に主演、ブロードウエイで日本人女性としては初めて2度の舞台を踏む。代表作にドラマ『ドクターX~外科医・大門未知子~』シリーズ(テレビ朝日系)など。スカーレット・ヨハンソン演じるブラック・ウィドウの吹き替えを務める『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』が、4月27日公開予定。