2018.5.4

2018年は本から学ぶ「ワクワク、ドキドキできるって素晴らしい」

5月。気持ちの良い季節がやってきました。連休も後半にさしかかりましたね。皆さん、いかがお過ごしですか? 我が家は相変わらずスローな日々。
予定も決めず(笑)、溜まった仕事と家の片付け。でも、久しぶりにゆっくりとした時間を過ごしています。

 

さて、今日は本のお話を。ベッドの傍らには購入した本が積んであるのですが、連休中、手に取ったのはこの3冊。
ページをめくる手が止まらない、「ワクワク、ドキドキ」してしまう本をご紹介します。

 

「本日はお日柄もよく」(徳間書店)。作家の原田マハさんとは作品よりもご本人との出会いが先でした。2年ほど前になりますが、化粧品ブランドの新製品発表会で原田さんがゲストに招かれていたのです。

「化粧品の発表会に作家が何を話すのだろう?」と思ったのですが、内容は現代美術と美についてだったような。実は、原田さんは作家になる前、ニューヨーク近代美術館で働いていたという経歴の持ち主。(もちろん、その知識と経験を生かした作品も世に送り出しているのですが)現代美術の歴史の変遷やそのときの時代背景、作者の想いなど、彼女ならではの解説はとてもおもしろく、ぐいぐい引き込まれていったのを覚えています。
原田マハ……彼女の作品を読んでみたくなり、何冊か手に取った中の1冊がコレでした。

恥ずかしながら「スピーチライター」という職業を知ったのも、この本でした。「スピーチには世の中の流れを、人々の意識を一瞬で変えてしまう魔力がある」とあとがきに書いてあります。マーティン・ルーサー・キング牧師、ジョン・F・ケネディ大統領、スティーブ・ジョブスなど、後世に残る演説をした人々には必ずといっていいほど、スピーチライターがいました。
子どもの頃にこの職業を知っていたら……私の人生は変わっていたのかもしれない、と思うくらい心を揺さぶられました。

後半で、主人公の女の子が尊敬する上司から「前を向いて歩いていきなさい」と言葉をかけられるシーンがあるのですが、心が熱くなりました。
「言葉で人を熱くする」、何て素敵なんだろう。書くことを生業にしている立場として、こうやって人の心に寄り添えるようになりたい。もっともっと修行しなきゃ! と奮い立たせてくれる一冊です。

読み終えたあとは、いつも清々しい気持ちになる……ナゼか、この時期に読みたくなる本です。

 

 

2冊目は恩田陸さんの「蜂蜜と遠雷」(幻冬舎)。直木賞を受賞した作品です。500ページを超える大作(しかも見開き4段組)ですが、一気読みしてしまいました。
海辺の街で開催されるピアノコンクールに、流星のように現れた一人の青年。彼の奏でる音にみんなが魅了されていきます。ピアノ……弾けたら良かったな〜、私にも才能があればな〜、とこの本を読みながら何度思ったことか(笑)。

音楽を知らない私でもこんなに引き込まれてしまったわけですから、ピアノマンやピアノを習っていた人たちはもっと感情移入してしまいそう。恩田さんの作品はディテールが細かく、そして繊細。ピアノの音が聞こえてきそうなくらいです。手に汗握りながら、ページをめくっていました。

 

この本を読んだとき、年下の友人の言葉を思い出しました。「ヘルシーな嫉妬」。コンクールに挑戦するくらいですから、みな高い技術を持っているけど、人に心に響く才能を持っている人はほんの一握り。そこに人は嫉妬するのです。
誰だって自分と他人とを比較してしまうことってありますよね。「いーなぁ」「羨ましいなぁ」と。嫉妬なんていろんなところに転がっていますし、ね。
でも、その感情を「妬み」で終わらせてしまうのか、「素晴らしい!」と感動&応援するのとでは全く違います。人間としての器が問われるような気がするんです。

話した内容も覚えていないのですが、「ヘルシーな嫉妬って素敵ですよね」と何気なく発した友人の言葉に、えらく感動したことを覚えています。
新しいことにチャレンジしたくなる、「自分も頑張ってみよう」と背中を押してくれる本です。

 

 

最後は、今、読んでいる「源氏物語」(河出書房新社)。角田光代さんが訳した大作です。源氏物語といえば、学生の頃はパラパラと目を通したくらいで、本気で読んだことがありませんでした。

今回、角田さんが紫式部の大作を現代風に訳されたと聞き、読まずにはいられない! と手に取ってみることにしたのです。大人になってわかること、感じることってありますよね。さまざまな経験をし、乗り越えてきた今だから共感できることもある。こういう時こそ日本文学と向き合ってもいいのかな、と。

 

それにしても、愛と恋、生と死、嫉妬と権力……時代こそ違えど、ドキドキ、ハラハラの連続。人って大事。ちゃんと向き合わないといけないんですよね。それは、昔も今も変わらない。

この本はさすがに持ち運ぶのは大変なので……仕事から帰って寝るまでの間に時間をつくって読んでいます。お酒を飲みながら読むと、ついついおかわりをしてしまう(笑)。いけません、いけません。
大人の読書、良いものです。