Q. バッグはどういう素材のものが良いでしょうか? 革製品はやはりNGですか?

A. 殺生をイメージさせるので、バッグは基本、布製のものが良いでしょう。そもそも革製品がNGだというルールは、せめて愛する人が亡くなった時くらいは、生き物の殺生をしないようにしよう、という思いからくるものなのです。


Q. 足元は黒ストッキングでなく、黒タイツではダメでしょうか?

A. 黒いタイツですと野暮ったくなり、正装に見えないため、基本的には避けてください。ただ、寒い時期にパンツスタイルの喪服の時に下に穿くのは良いとされます。正装の時には、やはり黒ストッキングが統一感があり美しい装いです。また喪主でなければ、肌色のナチュラルストッキングでも問題ありません。


Q. 靴はどんな種類のものがよいでしょうか?

A. 本来は、革製の靴は殺生をイメージさせるためNGです。ですが、靴まで揃えるのが難しい場合には、エナメルでなければシンプルな革製の黒のパンプスでも良いかと思います。 
実はパンツルックの喪服の場合に限り、踝くらいまでのブーツも今はOKとされています。スカート、パンツルックいずれの場合にも、他人から見た違和感をなくすことが大切です。

Q. ハンカチはどんなものが相応しいですか?

A. 白か黒の無地がおすすめですが、なければ寒色系の無地のもので良いです。

Q. 最低限、バッグに入れておくべきものはありますか?

A. 袱紗、お財布、ハンカチ。
あとは、黒の無地のトートバッグを持っていると便利です。バッグに入りきらない荷物や、黒以外のコートなどを着て行った際、会場の前で脱いで黒のトートバッグに入れておく、といった使い方ができますよ。


お葬式での服装やジュエリー、メイクには、亡くなった方や喪主の方への気持ちを表す意味が込められています。ひとつひとつのマナーの理由まで知ることで、いざという時にも慌てず、相手のことを考えた装いを選べるはずです。


岩下 宣子(いわした・のりこ)さん
NPOマナー教育サポート協会理事相談役。現代礼法研究所主宰。共立女子短期大学卒業。全日本作法会の内田宗輝氏、小笠原流の小笠原清信氏のもとでマナーを学ぶ。1985年、現代礼法研究所を設立、主宰となる。マナーデザイナーとして、多数の企業や団体でマナー講座、指導、研修、講演などを行う。『図解 日本人なら知っておきたいしきたり大全』(講談社)、『冠婚葬祭マナーの新常識』(主婦の友社)、『12歳までに身につけたい ルール・マナーの超きほん』(朝日新聞出版)など監修・著書多数。


構成/大槻由実子

 

 
 
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