顔の印象を大きく左右するパーツ「眉」。みなさんはその作り方の常識をアップデートできていますか? 大人が若々しく見え、さらに時代の空気感もとらえたアイブロウメイクのコツを、自身が立ち上げたブランドでアイブロウブラシを開発したばかりの、メイクアップアーティスト水野未和子さんにうかがいました。
 

教えてくれたのは……
メイクアップアーティスト
水野未和子さん

 

メイクアップアーティスト 水野未和子
オレゴンに留学後、イギリスに渡り、London College of Fashionでメイクアップを学ぶ。卒業後、フリーランスのメイクアップアーティストとしてロンドンでキャリアをスタートし、帰国後は多くの雑誌や広告、CMなどを手がける。人によって違う、その人だけの魅力をディファイン(明確に)するメイクに定評があり、数々の女優やモデルが厚い信頼を寄せる。そのメソッドをまとめた著書『ディファインメイクで自分の顔を好きになる “私だけの魅力”が絶対見つかる自己肯定メソッド』が好評発売中。
【Instagram】@mizuno.miwako

 


若々しさの決め手は
眉の「質感」にアリ!

 

普段、メイクのトレンドを常にキャッチしているような美容感度の高い人でも、「眉をどうメイクしていいか、いまいちわからない」と言う方が実は多いんです。アイシャドウやリップならどう塗ってもサマになるし、色や質感などわかりやすい違いがありますが、眉は「新商品さえ買っておけばなんとかなる」というわけにはいかないのがその理由かなと思います。

さらに、世の中の価値観が大きく変わるとともに、ここ数年で眉のあり方が変わったことも要因だと思います。そのひと昔前は、女性がまだまだ肩肘を張って生きていかなければいけない時代で、眉もどこか「戦闘体勢」のような鋭いものが主流でしたが、女性が女性として力を抜いて生きていける今の時代は、眉も「心地よく、無理のないナチュラルなもの」を目指すようになっています。ですが、まだまだ昔のクセで、細く整えている人も多いですよね。

そこで今回は、新しい時代に向けた大人のための眉の作り方を、みなさんにお伝えできればと思います。

まず大前提として、眉メイクにおいて40代以上の大人が特に注力したいのが、「生き生きとした眉」を作ること。

年齢を重ねると、髪の毛のツヤが失われてパサついていくように、じつは眉の毛もツヤがなくなりパサパサしていくんです。そうすると、眉の毛のしなやかさがなくなり、肌から浮いて前へ前へと伸びてきて、これが「疲れた感じ」や「老けた感じ」につながります。

髪の毛なら、ヘアケアをしたり、スタイリング剤でツヤを与えたりということを意識するのに、こと眉となると、なぜか多くの人が無頓着に。髪にいくらカラーリングをしたからといって、素髪のまま過ごすということは少ないのに、眉は形を描くことにばかり集中して、質感のことまで考えが及ばなくなるんですよね。

でも、髪や眉の毛のツヤ感は、からだの先の先まで細胞が新しいという「若さ」の象徴であり、大事なポイント

若い人であれば、このツヤがもともと備わっているので、眉メイクは「トレンドの色や形」みたいなものを楽しんでもいいのかなと思いますが、大人はまずその手前の「質感」を大切にすることが欠かせないのです。
 

美容マニアほど陥りやすい
「眉の整える」のワナ


そして、もう一つ大切なのが「眉の立ち上がり」です。

みなさんは、普段眉を切ったり、抜いたりして整えていませんか? 美容感度の高い人ほど、眉を綺麗に整える人が多いのですが、昔のルールのまま、眉頭の毛を眉の輪郭からはみ出ないように綺麗に切ってしまうと、少し古くさい印象に。

眉頭を立ち上げて「毛感」を強調すると、実はアカ抜けて洗練された雰囲気になり、同時に躍動感さえ感じる生き生きとした眉になるんです。昔は、眉尻が大事で眉尻に合わせて細く長い眉を描くのがトレンドでしたが、現在は眉頭の立ち上がりを作り、その眉頭を軸にして少し太く、短めのバランスで眉を描くのが主流に。アイブロウメイクを更新するうえで、一番重要な部分です。

それに、眉は切ったり抜いたりして綺麗に整えなきゃいけないと考えている人がすごく多いですが、そのままでも十分魅力的。何か理想の眉の形があって、みんな同じような形に寄せるより、もともとの形をいかに生かしていくかを考えた眉メイクのほうが、その人らしさが際立って、チャーミングで素敵になります。

もしかしたら、ただ放置をしている眉は、野暮ったく「不精」な印象になりそうと不安を抱く方もいるかもしれませんね。でも、そんなことはありません。上記のように「ツヤ」や「眉頭」を意識するだけで大きく印象は変わるんです。

ちなみに、眉が薄かったり細かったりする人も、元の眉のよさを生かしつつ、眉頭に重きを置いた眉メイクは可能なんですよ。