お仕事帰りに同僚と。大切な家族や友人と。
心からおつかれさまと伝えたい日のレストランを厳選してご紹介します。


本場ローマスタイルのピッツェリア
ピッツェリア・ロマーナ・ジャニコロ(麻布十番)

アグリオット¥1800。酸味があるトマトソースベースで、たっぷりのった桜海老が、運ばれた瞬間から鮮やかに香る春のピッツァ。

天井下の漆喰のアーチがローマの下町食堂を思わせる、都内でも数少ないローマスタイルのピッツェリア。構えたのはイタリア料理の老舗「サバティーニ」などを手掛けた渡邉浩さん。イタリア製の大きな窯を、ドーンと店内正面に設置した。コルニチョーネ(縁)がないローマ風は、麺棒で薄く、ていねいにのばし、ナポリ風より低い温度で何度も回しながら、じっくり焼く。そのため「窯口が広いのが特徴なんです」と渡邉さん。牛乳やバターも配合しているという生地の、クリスピーなこと! 生地を楽しむナポリ風に比べ、具がリッチなので、ワインも進む。もうひとつの看板、ピザ窯を使った窯焼き料理と合わせて、気軽なディナーに。

絶品! 窯で焼いた窯焼きポテト¥800。保温性の高い窯で火入れをしたルーツ農法によるジャガイモ「インカのめざめ」は、驚くほど甘く、芯までほっくり熱い。ほかに自家製サルシッチャや、ラザーニャの窯焼きも。
本日の魚介の前菜¥1600。

 

店内奥の窯は、イタリアで100年の歴史を誇るマリオ・アクント社製。漆喰の壁の装飾も見事なピッツェリアは、大磯のリストランテ「ヴェントマリーノ」の支配人も務めていた渡邉さんが、2011年2月にオープン。

【ピッツェリア・ロマーナ・ジャニコロ】 東京都港区麻布十番2-8-8渡邊ビルB1 tel. 03-6435-2080 営業時間11:30~14:30LO、 18:00~22:30LO 休日:月曜日 テーブル席22席 ランチ¥1080~、ピッツァは20種類ほどで¥1700~、窯焼き料理は¥800~、グラスワイン赤白¥700~、ボトル¥3800~(すべて税別)

撮影/神林 環 取材・文/齋藤優子 構成/藤本容子
FRaU 2011年掲載『おつかれレストラン』より ©講談社