11月11日。キャリアアップ連載講座五回目となる今回は、ファッション業界最前線で活躍するお2人の対談「ファッション業界でのキャリアの築き方」。登壇いただいたのは、ケイト・スペード ジャパン代表取締役社長の柳澤綾子さんとnanadecorディレクターの神田恵実さんです。
社長抜擢は何と34歳のときだった!
受講者の中でもケイト・スペードのファンは多く、「この対談を愉しみにしていた」という人も。教室は良い緊張感で満たされていました。2人はお互いをニックネームで呼び合うほど旧知の仲だといいます。柳澤さんは、外資系ファッションブランド「ケイト・スペード ジャパン」の社長として、ファッション業界の第一線で活躍しています。
「1999年に旧サンエー・インターナショナルに新卒入社後、KATE SPADE事業部に配属され、2006年には事業部長に就任。2009年より現職に就きました。そう、生粋のケイト・スペードっ子です」と自己紹介。柳澤さんのキャリアアップはものすごいスピード! 社長職の抜擢は34歳のときだったといいます。
モデル、女優、エディターたちの間でファンの多いnanadecorのディレクターを務める神田さんのキャリアもユニーク。
「短大卒業後、ファッションショー企画制作会社、編集プロダクションを経て出版社に勤務しました。その後、フリーのファッションエディターとして雑誌や書籍、ブランドのカタログなどを手掛け、『ジュリエット』を設立。2005年にオーガニックコットンブランド『nanadecor』を立ち上げ、2012年3月にはオンリーショップ&サロンを表参道にオープンしました」。
ファッション業界に身をおいている2人の経歴は本当に華やか。ですが、その一方で、苦労も失敗も「同じくらい経験してきた」と言います。それでも働く理由はナゼかと聞かれ、まずあがってきたのは「ブランド愛」。
「ブランドに対する愛情があるからこそ頑張ろうと思うのです。私のまわりにはブランド愛に溢れたスタッフが多いですね」(柳澤さん)
「オーガニックコットンとの出合い。初めて手にとったときの肌触りの良さに感動し、このオーガニックコットンで自分が着たい、使いたいモノをつくっているうちにブランドが大きくなっていった感じです」(神田さん)
ブランド愛と同じく大事にしていることがあるそう。それは「継続する力」。
「ありきたりですが、“継続することに意義がある”というのは本当。私自身、やってみてわかったことです。お客さまやスタッフの声を拾って、納得できる商品をコツコツとつくることが楽しいんですよね」(神田さん)
「学び続けること、知識を高めることの大切さです。何も仕事だけにいえる話ではありませんが、好きなことだからこそ頑張れることもあると思います。目の前にあるものを一生懸命やることもキャリアアップには必要なことです」(柳澤さん)
継続することで思わぬチャンスが舞い込んでくるというのは共通の意見。しかも、「キャリアアップのチャンスは突然に舞い込んでくる!」とか。
「チャンスってどうやって掴めるの?」「やりがいをキープできる方法って?」「人間関係はどうしたらいい?」など、女性が働くうえの悩みや心配を今すぐにでも聞きたいくらい。それを察するかのように、キャリア人生に必要なキーワードが次から次へと出てきました。時には、女性が仕事を続けることの難しさやライフスタイルとのバランスなど実体験の話も交えながらのあっという間の60分でした。
第3回ワークショップ開催「1stサンプル発表」
前回のデザイン、生地の決定から2週間。3回目となるワークショップは、1stサンプルが完成! 教室で披露されたブラウスは何と2着ありました!
「生地の色は“白”で決定したのですが、白は白でも黄みが強い白とピンク色によった白があるので、見てもらったほうがいいのかなと思い、持ってきました」とナノ・ユニバース デザイナーの大久保佳菜さん。
実際に肉眼でブラウスを見てみると色の差は明白! 「ええ?こんなに違うの?」と受講者の皆さんもびっくり! 編集部の2人がモデルになって(むかって川端(左)が黄み寄りの白、川良がピンクみ寄りの白を着用)。 「袖の長さは?」「ボタンはこれで大丈夫?」「後ろ姿は?」「インナーは透けない?」など会場から新たな質問が。これらをひとつひとつ検証していきます。
見た目よりもハリがあって薄手の生地。この感触にはびっくり! そして、背の高い受講者でも大丈夫な身丈になっているところは「さすが!」の一言。
「オフィシャルなシーンでの着回しをより意識したトップスに仕上がったと思います。セカンドサンプルに向け、丈感、ボリューム感、ボタンなどのパーツを微調整をしていきます」と室井さん。
最終判断は受講者の投票になりますが、どちらの色になるかは次回のお楽しみに。
受講者の方から届いた感想PICK UP!
「私たちは商品を売っているわけではない。世界観を売っているという言葉。自分の信じることが大切だというメッセージに心うたれました」
「おふたりのように愛情、情熱を持って仕事がしたいです!」
「何よりもまずまわりの人を大切に仕事をしていることが企業やご自身の成長につながっているということがよく分かりました」
「ブランディングに対する熱い思い! 昨年会社を設立した私にとって、一語一句が聞き逃せないドキドキの60分でした」
「ワークショップは洋服が完成する行程を知ることができ興味深いです。ちょっとしたディテール変更で印象が大きく変わることも面白い!」
「デザイン画よりサンプルを見たことで素敵が伝わってきました。正直、ギャザーだけでボウタイ見えさせるなんて無理だと思っていましたが、さすが!」
取材・文/長谷川真弓
次回の講義は、タグピク・社長である安岡あゆみさんを招いて「SNS時代のセルフブランディング術」について紹介します。
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