お野菜がたっぷりとれて、体もほかほかあったまり、なにより簡単。「冬の食卓はほぼ毎日お鍋です!」という人も多いのでは? 見た目も賑やかで、お客さんがきたときも楽しく盛り上がれるお鍋だから、ちょっと特別な作り方も覚えておきたいもの。今回は、フードディレクターの野村友里さんがこっそり「大人の鍋」と呼ぶ、特別なレシピをご紹介します。

 

「豚肉とレタスの常夜鍋」

 材料(2人分)
・豚肩ロース、または豚バラ肉(薄切り) 300g
・レタス 1個
・セロリ 1本
・昆布 5〜6cm角
・にんにく(つぶす) 2かけ
・しょうが(皮をむいてごく薄切り) 4cm
・水、酒(純米酒) 各適宜

・中華麺(生ラーメン) 1玉
・長ねぎ 1/2本
・みょうが 2個
・ごま油 適宜
・黒こしょう、塩 各適宜

・ 煎り酒* 適宜
・ 梅干し(塩分控えめのもの) 好みで1〜2個

 作り方 
① レタスは葉を1枚ずつはがす。セロリは筋を除いてピーラーで薄切りにする。
② 長ねぎ、みょうがは薄切りにし、水にさらして水気をきる。
③ 煎り酒に種を取った梅干しを加える。
④ 土鍋に酒と水を6対4(または7対3)の割合で合わせ、昆布、にんにく、しょうがを加えて火にかける。沸騰してきたら1のレタスとセロリ、豚肉をくぐらせて火を通し、3につけていただく。
⑤ 締めにラーメンを。鍋に残ったスープのアクを丁寧に除き(足りなければ水、酒を適宜足す)、中華麺を入れて火を通す。器に3、ごま油、好みでスープを入れて中華麺を盛り、2をのせて、黒こしょう、塩をふる(長ねぎ、みょうがは好みで中華麺と一緒に火を通しても)。

 

*煎り酒の作り方


 材料(作りやすい分量)
・酒(純米酒) 200ml
・昆布 5cm角
・梅干し(甘めのもの) 2個
・鰹節(荒削り) 3枚


 作り方 
① 鍋に酒と昆布を入れ、5〜6時間浸ける。
② 1に種を取った梅干し、鰹節を加えて強火にかけ、沸騰したらとろ火にして1割ほど煮つめる(180mlまで煮つめるのが目安)。
③ 2の粗熱がとれたら、ペーパータオルを重ねたざるなどでこす。冷蔵庫に保存し、2週間ほどで使いきる。
※市販の煎り酒を使う場合、塩分が強ければ煮きったみりんで和らげ、追い鰹と梅(塩分控えめ)を足し、一度沸かすと風味も増しておいしい。


「常夜鍋は、毎晩食べても飽きないことから名付けられたと言われています。具材は基本2種類で、ほうれん草を使う人も多いですが、私はこの豚肉とレタスの組み合わせが大好き。お酒が水を上回るくらいたっぷり入れて、酸味の効いた煎り酒でいただけば本当に一晩中食べられるくらい飽きないお味ですよ!」

野村さんの新刊『春夏秋冬 おいしい手帖』では、この他にも「鰤しゃぶ」や、「おでん」など、この時期にうれしいあったかレシピがたくさん掲載されている。鰤しゃぶには大根をピーラーで剥いてふんだんに入れ、柚子を効かせ、ポン酢を手作りするなど、長年料理に携わってきた野村さんならではのアレンジが見どころ。難しくはないけれど、ふだんの和食を少し格上げしたいときにぜひ読んでみてほしい一冊だ。

野村友里

フードクリエイティブチーム〈eatrip〉主宰。ケータリングやTVドラマ、CMのフードディレクションなど、多岐にわたる活動を通して食の可能性と愉しさを伝えている。

 

<新刊紹介>
『春夏秋冬 おいしい手帖』
野村友里 著 マガジンハウス刊 2900円(税別)

野村友里が作る、母たちから受け継いだ日本のレシピ130。旬の素材と昔ながらの製法で調理された和食を、写真家・戎康友の視点で鮮やかに切り取る。『Casa BRUTUS』で4年続いた連載に新しい料理を多数加えた、完全保存版のレシピ本。


・第1回「年末年始の胃の疲れに……野村友里さんおすすめの「湯葉丼」に挑戦!」 はこちら>>
・第3回「野村友里さん特製! 冬に作りたい簡単お茶菓子。」 はこちら>>

構成/真田奈奈(マガジンハウス) 撮影/戎康友、永禮賢(野村さん)