きょういちさんからの質問
Q.
父とのコミュニケーションの取り方が分からず
困っております。

父のことなのですが……。父は今年80歳になります。いつも私が訪ねていくと具合が悪そうにしています(病院で診てもらったけれど、異常はなしとのこと)。正直、父との共通言語もないので会話が弾みません。私は兄がいるので、兄に「父に会ってほしい」とメールするのですが、会ってくれません。どうしたらいいでしょうか?(41歳)

特別ゲスト 小林照子先生の回答
A.
具合悪そうにするのはかまってほしいから。
「どうしたの?」「そうなの?」と、 ただ聞いてあげてください。

お父さんはいつも具合が悪そう……、これはね、きょういちさんにかまってほしいと訴えているのですよ。ですから「病院に行ったら?」という対応では、お父さんは不満なのです。それで「どうもなかったんでしょ?」と言うのは、もう最悪です(笑)。

ではどういう対応をすればいいのか? 人はね、興味がある分野や専門分野に関して喋るときは流暢になるものです。きょういちさんのお父さんがいつも具合悪そうにされているということは、今お父さんは、体調に興味を持たれているのだと思うのですね。ですからそれを聞いてあげて。それで、「何でそんな不調が起こるのかな?」「年をとるとそうなるのかな?」「◯◯さんのお父さんも……」などと、ただ話に乗ってあげる。解決は必要ないのですよ。お父さんが抱えているのは大きな病気ではなく、いわゆる不定愁訴。その言葉の通り、訴えたいだけなんです。きょういちさんに話せばスッキリして次の会話に進みますから、お兄さんの訪問なんてまったく必要ないですよ。

このようなときありがちなのが、「医者に行きなさいよ」とひと言で終わらせてしまうこと。私の娘も、私が何か言うとすぐに「医者に行ったの?」と言うんです。でもそういうことじゃないの。お父さんの今の一番の関心事は、何だか不調で辛い気持ちを分かってほしい、ということ。でもなかなか言葉で伝えられないから、ブスッとしたり辛そうにしたりと、行動で表現しているのですよ。

私の夫はあるとき脳梗塞で倒れましてね。以来、何十回と同じ話をするようになったのですが、私はただ「うん、うん」「へー、そうなの」と言って聞いてあげていました。娘や孫には、「よくそんな同じ話を何回も聞いていられるね」と感心されましたけど、そんな大層なことじゃないんですよ。だって相槌を打つだけでいいんですから、ラクなもんです(笑)。
思うに、私のこの応対は夫婦だからできたものかもしれませんね。なぜなら夫婦は他人だから。これが親子になると、どうしても以前の威厳があった父親に戻ってもらいたくて、諦めがつかないもの。それで同じ話を何回もされると、「情けない!」と矯正しようとしてしまうのでしょう……。

年をとると人は誰でもお父様のようになります。きょういちさん親子の関係は、どこの家庭でも生まれるもの。だから深刻に捉えるのではなく、親にも「夫婦は他人」という感覚を持って接する。それを私はお勧めしたいと思います。

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PROFILE
  • 小林照子(こばやしてるこ)1935年生まれ。美容研究家。現在のコーセーを経て、1991年に「美・ファイン研究所」を設立。モデルや女優、政治家など何万人ものイメージ作りを手がけるほか、[フロムハンド]メイクアップアカデミー、青山ビューティ学院高等部東京校・京都校の学園長も務めている。最新著書『これはしない、あれはする』(サンマーク出版)が好評発売中。プライベートでは27歳で結婚。娘の小林ひろ美さんは同じく美容家として活躍中。 この人の回答一覧を見る
  • 山本 奈緒子1972年生まれ。6年間の会社員生活を経て、フリーライターに。『with』や『VOCE』といった女性誌の他、週刊誌や新聞、WEBマガジンで、インタビュー、女性の生き方、また様々な流行事象分析など、主に“読み物”と言われる分野の記事を手掛ける。 この人の回答一覧を見る