マルガリータさんからの質問
Q.
年々、性格がキツくなっていく自覚があります。
どうしたら穏やかになれるでしょうか?

現在48歳です。10代の頃までは憶病で、人の目や他人の評価を気にし過ぎて思ったことを口に出せず、いつもニコニコ笑っていました。仲の良い人にだけ本音を出せる内弁慶で、人前で思ったことを言える同級生にすごく憧れていました。こんな私が年を経ていくにつれ、人見知りが少なくなり、思ったことを言えるように。ところが、それが年々エスカレートし、自分は普通に喋っているつもりでも相手は傷ついていることがあるようなのです。しかも夫は鬱病患者なので、私の言い方がキツくて病気を悪化させてしまうのではと心配です。大学時代は、キャラを変えるチャンスだと思って、天真爛漫で元気な人を演じていました。社会人になってしばらくは、自信がなくて大人しい性格に戻っていましたが、責任ある仕事を任されて以来、取引相手を不安にさせないため無理にハキハキと喋るよう矯正しました。それがだんだん本当の自分になり、今ではなりたかった自分を超えてキツい性格になっています。こんなことなら、控えめに話していた若かりし頃の方が人に対して害がなかったと思うのです。頭では分かっていても、ついズバズバ言ってしまうのは、どうやって治せば良いのでしょうか?とくに病気の夫にために、この性格を治したいです。

特別ゲスト 小林照子先生の回答
A.
内面と外面の差が大きくなりすぎているのかも。
化粧療法で、素の自分に近い顔を作ることもオススメよ。

10代までは臆病で内弁慶だったとのこと。つまり、人とのコミュニケーションにおける言葉を覚える時期に、あまり言葉を発してこなかった。マルガリータさんは、そのような少女時代を送ってこられたということですね。そうして急に言葉を発するようになったものだから、今度はキツくなってしまった……。子供って、平気で人を傷つける言葉を発しますよね。「お前のかーちゃん、デベソ」なんて、その最たるもの(笑)。でもそうやって、どんな言葉が人を傷つけるのか学んでいるのですよ。マルガリータさんはちょっと人見知りで、その学びを逃してしまったところがあると思うのです。だから今、「デベソ」を学習していらっしゃる最中ということ。そこでいくつか、その“塩梅”についてアドバイスを差し上げたいと思います。

これまで、ハキハキものを言おうと思って自分のキャラを演じてこられたとのこと。これは、演じたりなんかしなくて素のままでいいのよ、とお伝えしたいと思います。人って誰しも、24時間キャラクターを演じ続けることはできませんから、内面と外面を使い分けているもの。でもその差が大きくなればなるほど疲れますから、つい素に戻ったときの反動が大きくなってしまう。そうすると、家族は振り回されてしまうのよ。だから外でも、できるだけ素に近い自分でいられるといいですよね。そのためには、内面を充実させるのがオススメ。一人の時間をしっかり持つとか、日記を書いて自分を見つめるとか、そういったことをやってみて。そうするときっと、自分も家族も混乱しないはずよ。

そのうえで、素の自分でいられる顔を作ることもオススメ。これは化粧療法といって、メイクでなりたい雰囲気を作ることによって、自分の性格はもちろん、周囲の接し方も変えさせる、というもの。私の知り合いにね、いかにもキャピキャピと明るそうなにぎやかな顔をした女性がいたの。そうすると彼女はその役割を求められて、いろいろな集まりに呼ばれるんですよ。そうして一生懸命明るく振る舞って疲れて、家族に当たってしまう。それで「どうしたらいいか」と相談されたんです。そこで私は、物静かな雰囲気に見える化粧というものを伝授しました。化粧の効果ってすごいの。眉の形や口紅の色一つで、ガラリと雰囲気も性格も変わる。ほら、着物を着ると途端におしとやかな気持ちになったりするでしょう? あれと同じ。彼女にも静かな雰囲気に見えるメイクを教えたところ、以前より落ち着いた付き合いができるようになったそうです。マルガリータさんも素の自分に近い顔を作ることができれば、まわりもその雰囲気に合わせて接してくれるから、より自然体で過ごせるようになると思うわ。たとえばもともとの“ニコニコ話を聞いているキャラ”でいるのが心地いいと感じているなら、その雰囲気のメイクを研究されてみてはどうかしら?

誰もが、“プライベートな自分”と“社会人としての自分”と2つの顔を持っているもの。できればそのどちらも、自然体でいられるのが理想ですよね。私なんかはこの2つの差がほとんどないものだから、「いつもノーテンキ」と言われてしまうんですけどね(笑)。マルガリータさんは今までちょっと、2つの顔を使い分けすぎてしまった。だからこれからは、居心地のいい自分に立ち戻れるよう、一人の時間を持つようにしてみて。そうして自分がどういう人間か分かったら、化粧療法で素の自分に近い顔を作るの。そうすればきっと、ご主人とも、会社の人とも、穏やかで良い関係が築けるようになると思いますよ。

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PROFILE
  • 小林照子(こばやしてるこ)1935年生まれ。美容研究家。現在のコーセーを経て、1991年に「美・ファイン研究所」を設立。モデルや女優、政治家など何万人ものイメージ作りを手がけるほか、[フロムハンド]メイクアップアカデミー、青山ビューティ学院高等部東京校・京都校の学園長も務めている。最新著書『これはしない、あれはする』(サンマーク出版)が好評発売中。プライベートでは27歳で結婚。娘の小林ひろ美さんは同じく美容家として活躍中。 この人の回答一覧を見る
  • 山本 奈緒子1972年生まれ。6年間の会社員生活を経て、フリーライターに。『with』や『VOCE』といった女性誌の他、週刊誌や新聞、WEBマガジンで、インタビュー、女性の生き方、また様々な流行事象分析など、主に“読み物”と言われる分野の記事を手掛ける。 この人の回答一覧を見る