今読み始めておくべき漫画をご紹介する“勝手”連載、ご好評につき、お盆スペシャルと題して今日から3日連続でお届けしたいと思います! 「ドラマ化・映画化が予定されている」「巻数が少なく追いつきやすい」など“青田買い”しておくべき漫画をセレクトしてご紹介します。

講談社は、これまでミモレブログでもご紹介した「BE・LOVE」「Kiss」などの女性コミックの他に、「モーニング」や「アフタヌーン」といった青年誌も刊行しています。青年誌にも大人の女性にこそ楽しめる作品がたくさん‼︎

今日、ご紹介するのは、現在テレビ東京で連ドラ放送中の『恋のツキ』(新田章・「モーニング・ツー」連載中)です。

この漫画が話題となっているのは、主人公(女性)31歳と15歳の男子高校生の恋愛が描かれているから。 えー、ありえないでしょうー! と思うんだけど、読むと、ウンウン、まあそういうこともあるよね、となるから不思議です(^^)

まず簡単にあらすじ。

主人公の平ワコ(31歳・作中で32歳になります)は、フリーターで家の近くの映画館でアルバイト中。同棲して3年になるふうくんという彼氏がいて、もうトキメキも失っているのですが、年齢的にこの人と結婚するのかな〜という雰囲気になっており、家族へ紹介する話が出たりしています。

そんな中、顔が好みで、映画の趣味が合いそうな高校生・伊古ユメアキと出会います。映画館勤務の職権を乱用して連絡先を聞き出し(このあたりかなり強引)、2人で会う時間を重ねるうち、彼の存在が大きくなっていき……。

1巻2巻と怒涛の早い展開で、ワコ、チョ待てよ!となります(笑) 絵もしゃれているのでスッと物語に入っていけます。

年の差恋愛の夢物語に終わらない、ミモレ読者にぜひ読んでもらいたい3つのポイントを解説いたします。

1.「男だから、女だから〜」無自覚な男女の役割バイアスが描かれる


3巻の終わり頃、食卓を挟んで「いつもふうくんの側にテレビのリモコンがある」ことにワコがキレるシーンが出てきます。ふうくんは、なんでそんな些細なことでイキナリ怒られるのか意味がわからない。

でもこれ、すごくよくわかる。

なんとなくいつも主導権は男性側に。リモコンくらいで大げさなって感じかもしれないけれど。どうせおまえは野球に興味ないだろ、変えたきゃ変えればいいだろとか、家の空間の決定権は俺にあって当然と(亭主関白タイプじゃなくとも、無自覚に)思っている男性は少なくないと思うのです。

ワコはワコで自分が選んだものを「エ〜」とか言われるのが面倒くさいと、何かを選択することを諦めてしまっている。

コーヒーが切れてることにイラついたり、ふうくんの「家の細々としたモノの補充は女がするもの」という思考や、ワコを少し下に見ているふしがあちこちに垣間見えます。

「男女平等なんて、男に初潮がきてから言えっつんですよ!」とアルバイト先の後輩。でも男は男で体調の悪さを表明できないしんどさもあるのかなと思ったりしました。

ふうくんはDV夫でもモラハラ夫と呼べるほど傲慢ではないし(そもそも夫でもないけれど)、ごく一般的な30代の男の人の感覚だと思います。のんびりしているだけで優しいところもあるし、鈍感なわけじゃない。

だけど日に日にワコの不満が積もっていく感じ、わかるわ〜と思う女性も多いのではないでしょうか。

一方で、女の人って溜めに溜め込んで、ついにコップが溢れた瞬間「あなたっていつもこう〜」と一気にまとめて激怒するから、男の人からすると何を怒られたのか結局よくわからない……ってことがあるんだろうな、と客観的な学びもあります。

 

2.女ゴコロは「欲される度合い」が強い方に流れる


さて、そんな風に彼氏のふうくんから心がどんどん離れていく一方で、ユメアキくんへの気持ちが高まっていくワコ。女の性欲も生々しく描かれます。

この漫画への男性の感想・読後評などを読むと「読むのが辛い」「女ってチョー怖い」「エグい」……などとあって、興味深いなと思いました。
(※業務連絡←柳田くん、ぜひ読むべし)

確かにふうくんの立場からすると、3年一緒に暮らしてきて、プロポーズもしようとしていたのに、急にワコから拒絶されて、どうした? 何がいけないの? 高校生? 意味がわからん!という感じだと思います。

ユメアキくんがそんなに魅力的かっていうと、読んでるこちらも正直よくわからないんです。顔が好みだった、スニーカーが同じだった、リアクションが可愛い……でも婚約目前の彼を捨てて出ていくほどの相手でもないような。

ふうくんよりユメアキくんが唯一優っているのは、「好きです」「一緒にいたい」とまっすぐに伝えてくる点。

ワコが心変わりしたのは、2人の男性の条件比較をしたわけじゃなくて、自分を欲されている(心も体も)と強く感じられるほうに寄っていってしまったんじゃないかと。このあたりはいろんな見方ができそうなので、ぜひご一読いただいて……と思います。
 

3.すぐそこにある貧困がリアルに描かれる


日本の女性が「もう愛情もなく、不満しかない夫」と離婚しない最大の理由の一つが「経済的に困るから」だと言います。

映画館のバイト代だけでは暮らしていけないワコ。ふうくんとの同棲を解消してしまうと、生活費や病気の医療費にも困るくらい“お金がない”状態に陥ってしまいます。

契約や派遣で勤めても、次の更新の際はさらに年齢を重ねており、新しい仕事が見つかりにくいのではないかという心配が。

ワコはいわゆる“底辺”ではないのに、付き合う男性によって、生活レベルが激変してしまうという現実。

どっちを選ぶの??とドキドキ読んでいたら、最新刊の5巻では、さらなる衝撃の展開に!

 

さて、今回も編集部の了解を得て、1話を無料公開してもらいました。ぜひ次ページよりご一読ください!

 
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