こんにちは、編集・川端です。昨日ご紹介した『1122』、たくさんの方に読んでいただきありがとうございました。3作目、今日ご紹介するのは、三原和人さんの『はじめアルゴリズム』です。

『恋のツキ』『1122』のように女の生々しい恋愛感情にザワザワするタイプの漫画ではありません。
“恐ろしい子タイプ”なので安心して読んでください。
“恐ろしい子タイプ”の漫画とは、
主人公が無自覚なダイヤモンドの原石的な“天性の才能”に、かつて大物だったがいまは現役を退いている師が気づき、厳しく優しく育てていくことで、主人公がスターダムをのし上がっていく、という少年・少女漫画の王道ストーリーのことです。(って、私が勝手に命名したのです(汗)どこにも広がってません。でも大好物なんです恐ろしい子タイプの漫画が♡)
『ガラスの仮面』だけじゃなく、『あしたのジョー』も『のだめカンタービレ』も『YAWARA』も『プロゴルファー猿』も『ドラゴンボール』も『スラムダンク』……大ヒット漫画の多くは“野性的だが才能があるダイヤの原石育て系”ではあります。
そして『はじめアルゴリズム』で、はじめの才能が開花するのは「数学」です。
あ、今、サーっと引きました。ちょっと待って、ちょっと待って、お嬢さん(←古い、微妙に古い……)
数学が苦手でも、キョーミがなくても大丈夫です。

簡単にあらすじ。
かつてはテレビに出演するなど一世を風靡した老数学者・内田豊は地元で講演をするも、誰も聞いちゃいない。帰り道にふらりと立ち会った母校で、天才的な数式を書いて遊ぶ小学5年生・関口ハジメに出会い、彼を数学者として育ていくことに……。

「数学とは情緒だ」というメッセージがこの漫画のキーになっています。
情緒とは
「感情の出どころ」
「美しいものを美しいと感じるこころの目」
「情緒を通して『問い』が開く」
と内田先生。
その哲学的な言葉の意味が(この段階では私もわからなかったのですが)、数学だけが解き明かす美しさを見る目みたいなものにだんだん惹かれて行きます。
数学が苦手な人でも大丈夫、と書きましたが、少し理系ゴコロがある人はより楽しめると思います。
3巻に「200個のチョコレートを12歳、15歳、28歳の3人で分配。ただし年齢が若い子ほど多くもらえるようにする。誰がいくつ?」というのを
12x +15y + 28z=200
という数式で解く場面が出てきます。うわぁ〜、どうやって計算するんだっけ??
内田先生の話に途中、途中ついていけなくなるんですけど、こうやって、ちょっとついていけそうな話が混ざってまた追いつく。
「占い」もある種、数学の情緒的な言語化ですね。
データアナリティクスも情緒を通して「問い」が開く。
このミモレにも、実はたくさんのアルゴリズムが裏側に走っています。今、この記事を読んでいるのも、偶然のようでいて、たくさんのアルゴリズムの結果だったりします。
私は単行本で読んでいたので、全部モノクロでしたが、連載時は巻頭がカラーだったんですね。モーニング・ツーの編集部からページのデータをもらうまで気づかなかったのです(『恋のツキ』も『1122』も冒頭がカラーでしたね)。ミモレでは、今回もカラーバージョンの方で公開します♡
すごく美しいオープニング! どうぞ数学の美しき世界を堪能してください。
続きが気になった方はぜひ1巻を!>>
ではでは、また“今読み始めるべき漫画”ご紹介しますね。
▼横にスワイプしてください▼
Comment
コメント