雑誌や広告でビジュアルを作るとき、モデルさんでさえ、“グリーン”の中で突飛にならずに垢抜けさせることは簡単ではないと常日頃感じているからこれは嬉しい発見♪


私が一番服選びに迷ってしまう日。
それは、自然に囲まれて過ごす日だ。

お盆を過ぎ、少しずつ穏やかな気候になっていくのでは?という期待が高まる今、秋に向けて楽しみたいのは、BBQ、ピクニック、グランピング…。
コンビニまで歩くことさえ億劫でおしゃれもままならなかった酷暑から解放されたら、自然の空気をいっぱいに吸い込みたい!
もちろんおしゃれだって♪

とはいえ、“グリーン”の中ってどうしてもほっこりと見えがちなのが常。
どカジュアルがなかなかしっくりいかない私はなおのこと。
若い時にはほんわか優しく見え、モテの秘技として使っていた人もいるかもしれない「ほっこり」は、大人になれば「老け見え」に直結してしまう。

そこからどうにか離れようと、これまで幾度も黒い服を纏ってきた。簡単に、そして間違いなくクールな都会顔になれるから、“グリーン”に囲まれる日の常套手段だ。

でも、都会的ということはつまり、一方で自然には相反するということ。都会のど真ん中にいる時とあまり変わらないというのも、その時々のシチュエーションを服と共に楽しみたい私にとっては、本当のところ、どこか納得がいかない。

じゃあ真っ白?いやいや、間違いなくリッチで素敵だけれど、現実問題、最初から周囲に「今日は私は何もしません」と宣言してしまっているようなもの。誕生日の主役でもない限りは、ただ自分本位な女アピールにもなりかねない。

いつもはあまり選ばないような思い切り派手な色を纏うのも決して悪くないのだけれど、今の私が欲しい、「洗練」とはまた違う気がする。

そう、”グリーン”の中で垢抜けるってなかなかの難題なのだ。

広大なグリーンの中ではディテールより先に色選びが肝だと思ってきたけれど、そもそも、それ自体が間違いなんだろうか…。

なんてあれこれ考えながら、長年解決する手立ても特に見つけられず悶々としていた私。
でも、その日は意外とあっけなくやってきた。

それは何気無く見ていた友人のインスタグラム。

保育園児とベビーのママである彼女は、ママ友たちとの公園でのピクニックで、まさかのパープルワンピかぶりをしたという内容だった。

写真のために体裁を整えた雰囲気もなく、ワイワイ楽しそうな自然体の写真。
でも、なんだかとっても素敵。

もちろん彼女たち自身の魅力もあるけれど、それぞれの好みで選んだ少しずつ違うパープルの服は、どれも程よくグリーンと共存しながら、どこか優雅で大人らしく、そして女らしく洗練されていた。

まさに求めていた雰囲気!大好きなパープルなのに、大きな盲点!
私にとってはまさに目から鱗が落ちた瞬間だった。

さあ、“素敵”は素直に受け入れて、どんどん真似しよう!

その夜、家のパープルの服を手当たり次第出し、気楽に過ごせそうなものをいくつか見繕ってみた私。
早速それを纏って公園に出かけてみたら、思った通りの雰囲気になんだか嬉しくなる。

私自身は、自分の肌を通すと品良く見えると感じるのは青みがかったものより、赤みがかっていて落ち着いた色味のパープル。ダスティピンクにも見えるようなふじ色やラベンダーは今の時期に。プラムのような濃い色はもう少し秋が深まったら纏いたい!


今年はもう迷わない。
グリーンの中では足りなかった洗練も優雅も気分上げも、一度ぜーんぶパープルに委ねてみよう。
そう心に決めた。