札幌滞在中、どうしても行きたいお店がありました。幾度となく出張で訪れていたのに時間の都合でどうしても足を伸ばせなかったお店。それが、知り合いの食通が「札幌に行ったなら食べてきて」とオススメしてくれた、今回紹介するMEN-EIJI 平岸ベースです。繁華街から離れた住宅地の中にあります。ラストオーダーの時間が迫っていたこともあり、私はすすきのからタクシーに飛び乗りました(ちなみに、すすきのから片道1300円くらいでした)。

店名を運転手さんに伝えると。「知らないなぁ。有名店なの? わざわざそこまで行くの?」と。「わざわざ行く価値があるって言われたんですよ」と私。「そうなの? すすきのにも美味しいお店、たくさんあるよ。でも、ラーメンは好みだからね。本当に好き好きだから。人の好みとかじゃなく、自分の味覚を大切にしないとね」と、そんなことを言い合っているうちに到着。

札幌No.1のラーメンを私は誰と食べたでしょう?_img0
「何回か前を通ったことあったんだけど、カフェかと思っていたよ」と運転手さん。確かに、ラーメン屋さんには見えないモダンな外観でした。

魅惑的なメニューがたくさんあったのですが、お店の方の「まずは、これを食べてほしい!」という言葉を信じ、定番の「魚介豚骨醤油ラーメン」をオーダー。

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券売機の上をふと見上げるとナックスからの「KING OF RAMEN」のお免状(!?)が。期待が高まります(笑)。


店内にはローリング・ストーンズがかかっていました。

待ち時間に、メニューとともに置かれていた素材表を見てみると、地産地消を意識されていることが一目瞭然。小麦粉や野菜などはすべて契約農家のものを使われていることも確認できました。化学調味料には頼らず、素材からいかに旨みを出すかにこだわっていることがよく分かります。こだわりまくったラーメン屋さん特有の緊張感はなく、店主も気さくでお店の雰囲気はいたってフレンドリー!

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日高昆布、椎茸、鰹、鯵に醤油3種、甘強みりん、高知県産の柚子皮を入れたジュレ。途中で口に含ませ、柚子の清涼感で味覚をリセットしてもらいたいとあえてスープに溶けないように作られているのだそう! ひとくちいただいた瞬間には、「魚介の味が強い?」と感じたのですが、食べ進めるうちに滋味深さが身体に染み渡ります。メンマの替わりの歯ごたえ担当は牛蒡というのもニクイ。しっかり灰汁抜きをし、和風出汁、醤油で炊かれているそうです。チャーシューは北海道産のモモ肉を生で仕入れ、3~5日間寝かせ、6時間火入れし、10時間以上かけて味を入れているとのこと。すべての仕込みが感動的なほどに丁寧になされており、久しぶりにラーメンのスープを最後まで飲み切りました。幸せの一杯、830円也。


そして、タイトルの質問の答えの発表です。

正解はタクシーの運転手さんです(笑)。「ちょうど夕食を食べたい時間だったし、せっかく来たからね。自分で確かめないとね」とニコニコしながら券売機で私の後ろに並んで、「でっ、何食べればいいのかな?」と。札幌のラーメン事情の話などを聞きながら、カウンターに並んで魚介豚骨醤油ラーメンをいただきました。

「どうですか?」と聞くと、「悪くないよ。いけるいける! 俺は好き。これならスープも最後まで飲めちゃうね」と嬉しそうにラーメンを頬張る運転手さん。

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食後に、記念撮影(笑)。


人と会う約束をしていた関係で、すすきのまでトンボ返りをするため、そのまま運転手さんのタクシーでリターン。その車中、運転手さんは「よくお客さんに運転手さんのおすすめのラーメン屋はどこだって聞かれて困っちゃうのよ」というので、「そうしたら、さっきのお店を教えてくださいよ」と返したら、「いやぁ、だめだめ、ラーメンは好き好きだからさっ!」。そう言って、すすきので私をおろした運転手さんは軽く手を上げ、タクシーは去っていきました。

※後日、MEN-EIJIにはすすきの店があることを知った私ですが、運転手さんとの出会いもあったので無問題であります(笑)。さらに、DUCK EIJI という鴨だしのラーメンを提供する新店舗もオープンしたようです! 札幌に行かれる際は是非チェックしてみてください!

今日のお品書き
服飾ディレクター岡本敬子さんの連載は、いよいよ骨頂である旅の話へ。暮らすように旅する達人、敬子さんの旅スタイルを撮影しに、私も今週とある地へ向かいます!