「なぜ、私はお父さんに似たの?」大森家の性教育のお話。_img0
ここ最近、「性」にまつわる本をたくさん読んでいます。


母から生まれたはずなのに、なぜ、私はまわりから「葉子ちゃんはお父さんに似ているわね」と言われるのか? 子供の頃、それが不思議でたまりませんでした。そこでタイトルの質問を母親にしたのです。それは、確か小学校2年の時。

「お母さんがお父さんを好きで、毎日よく見つめているからよ」というようなことで話をはぐらかそうとしたけれど、「お母さんは働いているから、時間で言ったら、お父さんを見つめている時間は決して多くない」というようなことを言い返してきた。それで観念して、「きちんと性教育をしなくては」と思ったのよ。後に、母は笑いながらそう教えてくれました。

我が家は今振り返ってみてもなかなかリベラルな家庭だったと思うのですが、母はリアルとメルヘンの間くらいのイラストを私に見せながら、男女の身体の構造の違いやなぜ妊娠するのかということ(今の日本の学校教育ではここまでしか教える義務はないんだそうです)、そして、セックスという行為のこと、を教えてくれました。「なるほど!」と生殖の仕組みの合理性と神秘性に感心し、その感動をそのまま友達に伝えたら、しばらく「葉子ちゃんは嘘つきだ」と、友達グループに一定期間完全に無視されるといういじめにあったことをハッキリ覚えています(真実を知っている唯一無二の小学生として、後にヒーローになるというどんでん返しも起こるのですが……苦笑)。

今、タイトルのようなことをお子様に聞かれたら、皆様はどう対応しますか? または、似たような質問を過去に問われた時には、どう答えましたか? 

私には子供がいませんが、ことあるごとに母の対応について思い出しています。

「なぜ、私はお父さんに似たの?」大森家の性教育のお話。_img1
最近読んで、とりわけ興味深かった一冊は『フランス人の性 なぜ「#MeToo」への反対が起きたのか』。パリ在住のジャーナリストが、フランスでは8歳から性教育する目的は? なぜフランスはセクハラに寛容なのか? 大統領が浮気や不倫をしても、なぜ辞任に追い込まれないのか? どうして事実婚に固執するのか? などの疑問に切り込んでいきます。これから大きな変革が起きるであろう日本の社会が向き合う「性」の問題を考えるうえで、重要なヒントがたくさん詰まっています。


私たちは「性」についての知識をしっかり教えられてきていません。大人は大人で、実は自分でもよくわかっていないものだから、子供に質問された時には、きれいごとでどうにか乗り切ろうとしてしまう。そうこうしているうちにネットや友達の口コミから子供たちは偏った知識を先に得てしまい、「性」の核心から決定的にかけ離れてしまう……

人生をも左右することになるのが「性教育」です。でも、その議論をする前に、それをきちんと伝えていかねばならない私たち大人が、自分自身の身体のことを、体調を翻弄するホルモンのことを、性欲という本能のことをあまりにも理解していないのではないだろうか。女性誌のセックス特集を作りながら、そのことをずっと考えていました。

正しい知識は、自分の心と体を守り、健やかで豊かな人生を過ごすための道具になります。そして、子供たちの健全な未来を育むための道具にもなります。このコーナーの初回でも宣言しましたが、カラダと性の問題を、ミモレで正面から真摯に扱っていきたいと考えています。

<この話題は次回へ続きます>

今日のお品書き
真夏のような暑い日もあれば、シャツを羽織りたくなる陽気の日。ましてや、1日の寒暖差も大きい「夏と秋の狭間」の時期にぴったりのスイッチアイテムをスタイリストNIMUさんが着用にてご紹介。この秋のトレンドで、キャミワンピのレイヤードテクニックにも注目!