ほうれい線は押すと薄くなるって、聞いたことありませんか? 毎朝、シワシワのシーツにアイロンをかけるみたいに指でほうれい線を伸ばせば、いつか消えていくとか。でも、本当のところどうなの? 他にも、アンチエイジングに関する美容のギモンはいろいろ巷にあふれていますよね。皮膚科医の高瀬聡子先生の新刊『ゆる美容事典』に、その答えがありました!
Q 高瀬先生、ズバリ、ほうれい線は押すと薄くなりますか?
A 「一時的には」、なります。写真を撮る前におすすめ!
高瀬先生「頬骨の下には『リガメント』という、骨や筋肉、皮膚などをつなぐ靭帯があります。ほうれい線~頬骨の下を強めに押すことで、固まったリガメントがほぐされ表情筋が動きやすくなるので、たるみやほうれい線が目立たなくなります。写真を撮る前に押すといいですよ。ただし、リガメントが硬くなれば元通りに。残念ながら、皮膚のたるみの根本解決にはなりません」
――押すと薄くなるのは、そのときだけのことなのですね……。では、化粧品はどうですか? 最近、シワに効くという化粧品が増えていますよね。高級なシワ改善美容液とか。あれは本当に効くのでしょうか?
Q 「シワ改善」の化粧品で、本当にシワはなくなりますか?
A そのシワのタイプによります。
高瀬先生「最近、シワに効くという触れ込みの化粧品が増えているのは、『ニールワン』『レチノール』『リンクルナイアシン』といった、シワ改善の有効成分が登場しているためです。
これらの成分は、長期的に使えばどれもシワを薄くする効果があります。とはいえ、完全になくすのは難しいですけれどね。
ただ、これらのシワ改善成分は、表情のクセで定着してできる『表情ジワ』や、肌の奥のコラーゲンがもろくなった『加齢ジワ』に効くもの。
もっと浅く細かい、肌表面の乾燥によって起こる『小ジワ』なら、高価なシワ改善化粧品を使わなくても、きちんと保湿するだけですぐ目立たなくなることも。自分のシワの種類を見極めて、必要なお手入れを投入しましょう」
――なるほど~。では、シミはどうですか? シミは化粧品くらいじゃ消えない、なんていう説も聞いたことがあるのですが、本当のところはどうなんでしょう?
Q 一度できたシミは化粧品じゃ消えない?
A 薄くはできます! が、予防がいちばんの早道。
高瀬先生「シミの正体はメラニンが集まったものなので、メラニンを含んだ細胞を排出させる、またはメラニンを還元させる化粧品を使えば、徐々に薄くすることができます。排出には、肌のターンオーバーを促す角質ケア、還元にはビタミンCやハイドロキノンを含む化粧品の使用が効果的です。ただし、ある程度の時間はかかるので、根気よく続けることが必要。
そして、何より大事なのは、これ以上シミを増やさないことです! 日焼け止めをちゃんと塗ることで、紫外線によるシミを防ぐことができます。メラニンの生成を抑える美白化粧品もプラスすればなお良しですが、とりあえずは日焼け止めを一年中しっかり。シミを薄くする後押しをしてくれますよ」
『ゆる美容事典 「ほどほど」「ズボラ」で美肌を手に入れる』
著者 高瀬 聡子 講談社 1300円(税別)
きれいにはなりたいけど、面倒なことはニガテ。毎日時間をかけたケアなんてムリ~。そんな美容偏差値低め女子でも大丈夫!な必要最低限の知識と、簡単かつ正しいお手入れ法がわかる高瀬先生の新刊『ゆる美容事典』。今回の記事に出てきたような、美容のさまざまなウワサやギモンもすっきり解決する1冊です。
『ゆる美容事典』のほか、料理、ファッション、ダイエット・美容など講談社くらしの本からの記事はこちらからも読むことができます。
講談社くらしの本はこちら>>
・第2回「「白髪は抜くと増える?」「カラーやパーマでハゲる?」髪の老化の真実」はこちら>>
・第3回「オーガニックコスメ=肌にやさしいわけじゃないって知っていますか?」はこちら>>
高瀬 聡子(タカセ アキコ)
皮膚科医。ウォブクリニック中目黒総院長。東京慈恵会医科大卒業後、同大に皮膚科医として勤務。2003年にスキンケア化粧品「アンプルール」の研究開発に携わり、2007年にウォブクリニックを開設する。専門は皮膚科と美容皮膚科。丁寧でわかりやすいカウンセリングによる美容医療と薄毛治療の人気が特に高く、雑誌、テレビなどでも活躍中。著書に『いちばんわかるスキンケアの教科書』(講談社刊)がある。