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空中に浮かんでいるような作品が作れる


ハーバリウムとは、「植物標本」のことで、一般に1種か2種のドライフラワーやプリザーブドフラワーをびんに入れ、特殊なオイルを満たしたものです。
ワンステップ上のハーバリウムとして、リースやスワッグ(壁飾りの花束)を魅力的な作品にすることができます。「どうやってびんの中に入れたの?」とびっくりするとともに、見る人だれもが欲しくなるような愛らしさがあります。
「工夫次第で、一見びんの中に入りそうもない花材を収めることもできます。どうやって作ったの? と不思議に思われたら、成功です」(『イチバン親切! オリジナル作品が作れる! わたしだけのハーバリウムBook』の著者、フラワーデザイナーの福本幸子さん)。
空中に浮かんでいるように見えるのは、透明なプラスチックの薄い板を利用して形をつくり、テグスでびんの口から釣っているからです。

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いままでにないハーバリウム。びんの中にリースとスワッグ(壁飾りの花束)が浮かぶ作品。

 

季節感やイベントを作品に


お正月やクリスマスなど季節の行事やイベントを、季節の花材や資材を使ってハーバリウムのびんの中に表現できます。
さらに、ハーバリウムを飾った時の演出もすると、デザインや作る楽しみが増えます。
誕生日や記念日などには、メッセージやお祝いの言葉を添えて贈ってもよいでしょう。

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お正月をテーマにした作品。花材だけではなく、テーマに合わせた資材も入れて雰囲気を出す。作品に合わせて背景を演出するのも楽しい。

 

香りの演出やびんの工夫で飾る楽しみ


ハーバリウムはオイルで植物を閉じ込めてふたをしているので無臭ですが、ハーバリウムの花材に合わせて、香りの演出ができます。バラやラベンダー、スズラン、ローズマリーなど、香りを思い起こさせる花材に合わせて、アロマオイルを垂らしたドライフラワーを置きます。
それから、ハーバリウムをフレームに組み込み、小物や雑貨、思い出のものなどと飾るフレームアートにして作品を作り込むこともできます。
また、ハーバリウムをおしゃれにするには、びんの演出も欠かせません。タッセルやラベル、シールをつけるだけでも雰囲気がぐっとよくなります。

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香りを楽しむ演出。ハーバリウムの花材に合わせて、アロマオイルを垂らしたドライフラワーを置く。
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フレームにハーバリウムと小物を飾って演出。思い出のものや記念のものなどで作り込む。
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びんの演出もさまざま。びんのふたの部分にカードをかけたり、封印のようなシールを貼ったり、リボンやタッセルをからめるだけでおしゃれ度がアップ!
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びんに中の植物名を書いたシールを貼ると、標本ぽくなって知的な感じになる。

 

贈り物としても最適


ハーバリウムはお手入れ不要で、場所を取らないので、プレゼントとしても最適です。
「ハーバリウム用のラッピング資材もさまざまなものが市販されています。びんの大きさや形に合わせた資材を使って、リボンをかけたりメッセージカードをつけるなど、ラッピングにちょっとこだわると、プレゼントのおしゃれ感がワンランクアップします」(福本さん)。

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びんにぴったりの箱に、ミニタッセルとリボンをつけて。
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びんに合わせた梱包資材にすると、「特別感」が高まる。

 

小さなびんに植物を閉じ込めるハーバリウム。「植物標本」にこだわらなければ、工夫とアイデアで、まだまだ素敵に面白くなります。

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福本 幸子(ふくもとさちこ)

松村工芸株式会社 アンナサッカ東京 デザイナー。公益社団法人日本フラワーデザイナー協会講師。ゼネコンの現場監督から花業界へ転職。フラワースクール講師、生花店勤務を経てフラワー資材の製造、販売、輸入を行っている松村工芸株式会社に入社。店頭の作例制作、講習会を担当。お客様の声を直接聞き作例制作にも取り入れ、「作品に一工夫」をモットーに、花や植物がさらに美しく楽しい世界になるよう提案をしている。

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『イチバン親切! オリジナル作品が作れる!  わたしだけのハーバリウムBook』
著者  福本 幸子 講談社 1500円(税別)

ハーバリウムの基本知識から作り方までを、美しい作例写真と多数のプロセス写真で丁寧に解説。
「花1種でシンプルに」から「野の花やハーブを束ねて」「特別な日のために」「リースとスワッグ(壁飾りの花束)を空中に浮かべて」などをテーマにして、基本の作品から、リースや花束、キャラクターが入ったいままでにない作品まで、随所に工夫された最新アイデアレシピ66作品を紹介しています。
はじめてハーバリウムを作る人も、既存のハーバリウムに飽き足らない人も、新しい作品に挑戦したい人も満足できる1冊です!

『わたしだけのハーバリウムBook』のほか、料理、ファッション、ダイエット・美容など講談社くらしの本からの記事はこちらからも読むことができます。
講談社くらしの本はこちら>>

(この記事は2018年10月2日時点の情報です)
写真/大坪尚人、杉山和行(以上講談社)

・第1回「作って飾る“植物標本”。話題の「ハーバリウム」を知っていますか?」はこちら>>
・第2回「思い出の花や植物を残したい……花束の「ハーバリウム」の作り方」はこちら>>