「2030年に自分の仕事はなくなっていると思う?」

つい最近、私が参加したあるカンファレンスで参加者全員に問いかけられた質問です。
会場アンケートの結果は・・・YESが9%。

みなさんの答えはどうでしょう? AIやロボットの導入で自分の仕事はどんな影響を受けると思いますか? 

 

就職情報大手のリクルートキャリアが今夏発表したデータによれば、今の就活生の実に半数はAIの発達により「なくなる職種」を意識しながら就職活動をしているそうです。時代の流れを感じる結果ですね。

「なくなる仕事もあれば、新たに生まれる仕事もある」というのが一つの真実だと私は考えています。

定型的な作業が自動化されていくのは、すでに始まっている傾向ですね。例えば、「RPA」という技術があります。これは「Robotics Process Automation」の略で、「デジタルレイバー(労働者)」とも言われ、これまで人間が行ってきた事務作業の一部をロボットを使って自動化する技術です。「ロボット」と言っても、ハードウェアの形ではなく、ソフトウェアの形でパソコンなどに導入されます。

みなさんの身近なところだと、経理や人事、営業などの領域でのいわゆる「ルーチンワーク」と言われる入力や集計、情報収集、整理、分析などの事務作業を自動化していくことができます。

交通費の経費精算を例に考えてみましょう。提出された交通費の金額が最安ルートとなっているかどうか、不正がないかどうか、一般的には経理担当者が人力でチェックします。RPAを導入することで、こうした確認作業を自動化することが可能になります。

取引先からの請求書の内容確認、システムへのデータ入力、入力データの検証、総勘定元帳への転記といった一連の作業もすべてロボットが行い、人間は結果を検証するのみ・・・といったことも可能です。

 

ロボットゆえに(当たり前ですが驚きの事実ですね!)休むことなく働き続けることができ、同じ間違いを繰り返さないといった特徴があります。このため作業スピード・効率を大幅にアップすることができます。すでに大手企業を中心に導入が進んでいる技術なので、「職場で聞いたことがある」という方も少なくないかもしれません。

このように技術の導入が進むことで、「なくなる仕事」は確かにあります。一方で、RPAを例にとると、RPAを導入するにあたっての設計や実行を担う人材が現状では不足しているという事実があります。

こうした事態を解決するため、私が共同代表を務めるWaris(ワリス)では、他社と共催で「RPA人材」の育成を行う「RPA女子プロジェクト」を今年からスタート。RPAの導入・運用技術を学ぶオンライン講座にはのべ3期250人が参加するなど大きな反響を得ています。参加者の半数はウェブ開発の未経験者で、自分のキャリアアップやスキルアップのために受講しています。

RPAはあくまで一つの事例ですが、進化に伴って新たに生まれるテクノロジーをいち早く学んで、自分の仕事に加えていく・・・そんなことが新たな時代に対応するためには必要なのではないでしょうか。

もう一つ、AI時代、ロボット時代の仕事の価値について考えることも必要です。AIやロボットではなく、人だからできること、人にしかできないこと・・・それは希少性(レア)ではないでしょうか。

速さや効率、量、それらの結果としての安さ・・・そういった点では私たち人間がAIやロボットに勝る価値を提供することは難しいかもしれません。

自分が本当に好きなこと、夢中になれることを掛け合わせて、あなたならではの「価値」を出していくこと――それこそがこれからの時代に求められる人であり続けるための条件だと私は思います。

では、どんなふうに「希少さ」を獲得して、個人としての価値を出していくのか・・・次回、掘り下げていきます。