実は、経済学の世界でも、10年というのはひとつの大きな区切りとされています。
経済学には、景気循環論という分野があるのですが、10年の周期はジュグラー循環と呼ばれ、経済や社会の仕組みを変える原動力のひとつとされています。10年周期が発生する要因は、企業の設備投資といわれていますが、私たちが毎日、利用している街中のお店も7年から10年程度でリニューアルするケースが多いですから、これはうなずける話です。
ビジネスが10年をひとつの単位として動いているのだとすると、私たちの職場や住環境というものも、10年をひと区切りとして考えた方が合理的です。つまり10年経ったら、仕事や私生活の状況が大きく変化するということを前提に、長期的な目標を立てた上で、日々の生活を送るのです。
例えば、スマホの本格的な普及が始まったのは2011年頃ですが、今となってはスマホは生活必需品となっており、わたしたちの仕事や私生活に極めて大きな影響を与えています。
つまり、2011年からの10年はスマホを軸に世の中が回っていた時代と解釈することができます。スマホが急速に普及することは当初から予想されていましたから、それを前提にキャリアを考えたり、私生活の見直しをした人と、そうでない人との間には大きな差がついているはずです。
そうなってくると2020年代というのは、今までとは異なるまったく新しい10年になりそうだということが何となく予感できると思います。もしそうであるならば、今年は新しい時代の到来に備えるための時期と位置付けた方がよいでしょう。
時代が変われば、仕事も変わりますし、私生活も変わります。それに伴って、付き合う相手や自身の振る舞いも変わってくるはずです。次の時代がどうなるのか、すぐには分かりませんが、日常生活の中で、その兆候やヒントを探し出すことはそれほど難しいことではありません。
大きな目標は10年に1度を目安にし、1年ごとに目標実現のために何ができるのか考え、少しずつ実践していくのがよいでしょう。
パソコンのソフトなどにおいて機能を新しくすることをバージョンアップと呼びますが、バージョンアップには2つの種類があります。ひとつは、何年かに1回だけ実施し、機能を抜本的に変更する本格的なバージョンアップ。もうひとつは、定期的に行われる小さなアップデートです。
これを先ほどの話にあてはめれば、大規模な自分自身のバージョンアップは10年に1回行うわけですから、新年に実施するのは小規模なアップデートで十分です。しかし、次のバージョンアップをどうするのかについては、常に考えていかなければなりません。2019年は、10年越しのバージョンアップをスタートする元年にしてはいかがでしょうか。
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