2018年は比較的、平穏な年でしたが、2019年はそうはいかないかもしれません。わたしたちの生活に大きな影響を与える2つの大きなイベントが待ち構えているからです。
大きなイベントのひとつは言うまでもなく10月に予定されている消費税の10%増税です。前回の消費増税では、駆け込み需要が殺到したかと思えば、その後に大きな反動減が発生するなど、社会は大混乱となりました。読者の皆さんの中には、消費税が上がる前に買い物を済ませてしまおうと考えている人がいるかもしれませんが、少々、注意が必要です。その理由は、商品によって増税が価格にもたらす影響が違っているからです。
前回の増税時には、生活必需品を増税前に買いだめする人が目立ちましたが、これは経済学的には意味のある行動とはいえません。生活必需品は、一生買い続けるものですから、増税前に少し買いだめしたところで、そこで得られた利益は時間が経つにつれ、限りなく薄まってしまうからです。
家電など高額商品の場合、増税前に買えば、消費税分だけ安くなります。しかし前回の増税では、反動減が大きく、増税後に量販店や値引きを行ったことで、増税前に買った人がかえって損をするという状況も散見されました。
では消費増税を控え、今年はどのように買い物をすればよいのでしょうか。
何よりも重要なのは、高額商品の一部は、価格の上限変動が大きいという現実を理解しておくことです。特に家電はその傾向が顕著となっており、安い時期に購入すれば、半額になるケースもありますから、消費増税分など誤差に過ぎません。モノにもよりますが、一般的に家電は1年に1回、新製品が出るパターンが多く、1年サイクルで価格が変動します。発売直後がもっとも高く、半年経過すると、場合によっては半額になっていることもあります。
つまり新しいモデルが出る直前に、昨年のモデルを買えばもっとも安く買うことができます。いくら消費税の増税前だからといって新モデルが出たタイミングで買ってしまうと高値づかみになるのは目に見えています。増税というキーワードに惑わされないようにすることが大事です。
政府は消費税増税による景気減速を防ぐため、ポイント還元策などを実施する予定です。いろいろと問題点も指摘されていますが、利用できるものは利用した方がよいでしょう。ただし注意しなければいけないのは、ポイントを目的にしないことです。ポイントが得られるからといってムダに買い物をしてしまっては本末転倒であることは明らかです。
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