昨今、様々なメディアで取り上げられることが多くなっている問題・モラハラ。もしも自分が遭遇してしまったら……? それでも会社をやめられないとしたら……? 『大人力検定』シリーズで知られるコラムニストの石原壮一郎さんは、大人ならではの撃退法として「慇懃無礼作戦」を提案しています!
MAYUNINOさんからの質問
Q. モラハラに苦しんでいますが
会社は辞めたくありません。
会社のトップのモラハラに困っています。半年前、配置替えがあり、会社のトップがいる部屋に異動になりました。気に入らない社員への無視、バカにした笑い、暴言等がひどく私自身も標的になっています。ストレスから5キロ以上も太ってしまい、眠れない日々が続いています。直属の上司に異動をお願いしましたが、いまだ異動できていません。会社を辞めたくはありません。どう乗り切ればいいのかアドバイスをお願いします。(42歳)
特別ゲスト 石原壮一郎さんの回答
A. 徹底して丁寧に返す“慇懃無礼作戦”を
オススメしたいと思います。
なるほど、モラハラの相手が会社のトップとなると、さらに上の人に訴え出るということもできないですもんね……。これは悩ましい問題ですね。
MAYUNINOさんは会社を辞めたくないとのことですが、「辞めてもいい」という気持ちを持っておくことも大事かと思います。無理にい続けようと思わなければ、反撃行動も取りやすくなるものですから。
そのうえで、トップに言われたことやされたことを「モラハラ日記」として記録し、毎週メールででも送りつけてやるというのはいかがでしょう? 当然、そのトップはキレるとは思いますが、雇用関係とは契約で成り立っているもの。「お前なんか、やめちまえ!」と辞めさせられるわけではありませんから、メールを送るまではいかなくとも、多少強気に出ても良いと思うのです。コツコツと相手のモラハラ行動を指摘していれば、相手も反省はしなくともストレスにはなるでしょうから、少し手控えるようになる可能性は高いと思います。
とはいえ、これはかなり勇気のいる行動ですから、もう少し現実的な方法を挙げますと……。モラハラに対してストレスがたまるのは、「何でこんなひどいことを言うのだろう?」とか、「どうしたらこういった言動をやめさせられるのだろう?」などと、自分ではどうにもできないことを思い悩むからでもあるのですね。厳しい現実をお伝えしますと、モラハラをやめるかどうかということは、相手に主導権があることなんです。では自分に主導権があることは何かと言いますと、暴言などを吐かれたときにどういう態度をとるか、という部分です。そこでケンカ腰に言い返すのは疲れますし、余計険悪になるだけですから得策ではありません。ですからオススメしたいのは、「慇懃無礼作戦」です。たとえば「このブス!」などと言われたときは、「貴重なご意見、承りました。ご期待に添えず申し訳ありませんが、善処いたしたいと思います」などと返すのです。相手が「バカにしてんのか!」と言ってきても、ひたすら「とんでもございません。感謝しております」などと、徹底して慇懃無礼に返し続けてみてください。相手も最後は怒ることに疲れてやめるのではないかと思います。
MAYUNINOさんは現在42歳とのこと。社会に出たばかりの若者とは違い、多くの経験や知識を積まれていらっしゃると思います。是非、そのキャリアを生かした反撃法を取られてみてください!
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- 石原 壮一郎(いしはらそういちろう)1963年生まれ。コラムニスト。月刊誌の編集者を経て、1993年に『大人養成講座』でデビュー。以来、『大人の女養成講座』、『大人力検定』、『大人の合コン力検定』など大人をテーマにした著書を発表し続けている。近著に『9割の会社はバカ:社長があなたに知られたくない「サラリーマン護身術」』(飛鳥新社)、『本当に必要とされる最強マナー』(日本文芸社)、『大人の人間関係』(日本文芸社)などがある。 この人の回答一覧を見る
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