今の生活には満足しているけれど、ワーキングウーマンへの夢も捨てきれない……。そんなモヤモヤを抱えている女性は、意外と少なくないのではないでしょうか? 40歳も過ぎると、今踏み出さなければもうチャンスはなさそう……、と思う一方で、一度踏み出してしまったら簡単には戻れないという不安も。そんな“将来の選択”に揺れたときの決め方について、コラムニストの石原壮一郎さんが教えてくれました。
Ankyokyoさんからの質問
Q. ワーキングウーマンに憧れていますが、
『足るを知る』という言葉もチラつき……。
ドイツで会社員をしています。子供は3人。忙しくしています。外国語をかなり話せるため、会社からは「辞められては困る」と言われています。ありがたいですが、仕事は事務で単調です。足るを知るということを考えると、今の生活に不満はない、でもつまらないと感じています。あと20年以上これをするのか、と思うと怖い。親だけど自分の幸せを追いかけてもいいと思う気持ちもあり、落ち着きません。ずっと出張や交渉をするワーキングウーマンに憧れてきました。独自に中国語も資格を取り、頑張った。主婦でも、母でも自分の夢を追いかけてもいいのか? 「足るを知る」で、今ある状況で満足すべきか分かりません。(41歳)
特別ゲスト 石原壮一郎さんの回答
A. 10年後の自分を想像してみたときどう思うか。
それによって進む方向を考えられてはいかがでしょう?
今の生活で足りている、と言い聞かせようとはしているけれど、本音を言うと足りていないのですよね。「足るを知る」というのはたしかに良い言葉ですが、人はみななかなか足りていると思えないからこそ、このような言葉が生まれたのだと思います。Ankyokyoさんは今、41歳とのこと。41歳はお若いですが、新しい一歩を踏み出すとなると、そうたくさんの時間が残されているわけではないもの。ここらで、どうするか真剣に検討されても良いかもしれません。
そこでお話したいのが「夢の活用法」というものについてです。夢というのは、「実際に追いかける」という活用法と、「いつかは叶えたいと思うことで心の支えにする」という活用法の2つがある、と私は思うのです。Ankyokyoさんが必要としているのは、どちらの活用法でしょうか? まずはそこをしっかりと見極められてください。
その見極め法の一つに、10年後を想像してみる、というのがあります。10年の月日が経って51歳になった自分を想像したとき、「あのときこうしておけば良かった、と思いそうだな」と感じたなら、足りていると思えていない証。一歩を踏み出されると良いかと思います。反対に、「今と変わらなかったとしても、これはこれで良いかもと思えそうだな」と感じたら、今のままでいいと思っているということかもしれません。
どちらの道を選ばれても、楽しいことも辛いこともあるでしょう。どちらが正解ということはないと思いますから、自分が後悔しないだろうと思える道をじっくり考えて、進まれてほしいと思います。
・モラハラ社長を黙らせるために考えた、退社以外の対策2つ
・あらぬ噂や悪口を流すヤバい客【ジムで起こった恐怖体験】
・大学院生の私が教授から「飲み会セクハラ」の標的にされた理由
- 石原 壮一郎(いしはらそういちろう)1963年生まれ。コラムニスト。月刊誌の編集者を経て、1993年に『大人養成講座』でデビュー。以来、『大人の女養成講座』、『大人力検定』、『大人の合コン力検定』など大人をテーマにした著書を発表し続けている。近著に『9割の会社はバカ:社長があなたに知られたくない「サラリーマン護身術」』(飛鳥新社)、『本当に必要とされる最強マナー』(日本文芸社)、『大人の人間関係』(日本文芸社)などがある。 この人の回答一覧を見る
終活ジャーナリスト 金子稚子さんの回答一覧はこちら>>