ファッションに興味がない夫なら、妻が服を選んであげればいいだけなので簡単。問題は、夫が突然ファッションに興味を持ち始め、しかも変な洋服を買ってきたとき……。一体どう言えば、夫の“ファッッション冒険”を止めることができるのでしょう!? コラムニストの石原壮一郎さんは、上手な止めさせ方だけでなく、そんな夫の迷走を楽しむ方法まで教えてくれました。
ハム吉さんからの質問
Q. 夫が突然赤いズボンを買いました。
そのとき妻はどうすれば……!?
石原さんのご本は高校生の時から愛読しております。石原さんにご相談したいのは、夫の洋服のセンスについて、です。先日夫のクローゼットで赤いパンツ(ズボン)を見つけました。恐らく今年購入したものだと思われますが、実際にはいたところはまだ見ていません。夫はいつもはシャツにジャケットを合わせるような40代後半相応のいわゆる普通の服装です。とても夫にこの赤いパンツをはきこなせるほどの力量があるとは思えません。なぜ今さら冒険しようとしたのか、誰かに触発されたのか、一体どこにこの赤パンツで行くつもりなのか……謎です。夫が赤いパンツをはいて現れたその時、正直に「全然似合ってないよ」と言ってもいいのか、嘘でも褒めてあげるべきなのか、でもそうしたら図に乗って紫のシャツなどを買ってきたりしないか、悩ましいところです。なんと言ってあげれば良いのか、アドバイスいただけると嬉しいです。(42歳)
特別ゲスト 石原壮一郎さんの回答
A. 「似合わないからやめなよ」と言うと意地になるかも。
大げさに褒めたほうが気が済んでやめるでしょう。
夫に赤いパンツをはきこなせる力量はないとおっしゃっていますが、分からないじゃないですか! ……と、同じ男として肩を持ってはみましたが、もちろんはきこなせないと思います(笑)。
誰しも気の迷いで奇妙な服を買ってしまうことはたまにあるのではないでしょうか。そして当然、着ても似合わないですからそのままクローゼットに押し込んでしまう。ご主人の場合も、そのようなオチではないかと思うのですが、それを見てハム吉さんが悶々とされているのが面白いなと思ってしまいました。ここまできたら、もはや何も聞かないほうがいいでしょう。そして、さらに想像を膨らませて楽しまれてください。何だったら、紫のシャツを買って隣にかけておくぐらいされてはいかがでしょうか? それを見て夫も、ハム吉さんと同じくらい「どういうつもりだろう?」と悶々とすることでしょう(笑)。
しかしタンスの肥やしになって終わればいいのですが、もしも夫が実際に赤いパンツを履いて現れたときは問題ですよね。夫も似合っていないことは分かっていると思いますが、そこで「似合わないからやめなよ」と言われると、意地になってしまうかもしれません。むしろ「新しい人生が始まったんじゃない!?」などと大げさに誉めたほうが、気が済んでやめると思います。
でももしそのままはき続けたら……。そうなったら、夫婦二人で力を合わせる時かもしれません。一緒に派手な服を着て、林家ぺー・パー子のような夫妻になるのはいかがでしょう? 自分を縛っていた何かを打ち破ることができるかもしれません。
余談ですが、浮気をすると服の趣味が変わる、という説もあります。浮気まではいかなくとも、服装の迷いは心の迷いの表れ。若い女の子に褒めてもらいたくて買った、というような、少々のよこしまな気持ちはあるかもしれません。でも赤いパンツをはいて褒めてもらえることはまずないでしょうから、ご心配には及ばないでしょう。そんな浮つきは中年の麻疹みたいなものですぐに治まりますから、温かく見守ってあげるという楽しさを満喫されてください。
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- 石原 壮一郎(いしはらそういちろう)1963年生まれ。コラムニスト。月刊誌の編集者を経て、1993年に『大人養成講座』でデビュー。以来、『大人の女養成講座』、『大人力検定』、『大人の合コン力検定』など大人をテーマにした著書を発表し続けている。近著に『9割の会社はバカ:社長があなたに知られたくない「サラリーマン護身術」』(飛鳥新社)、『本当に必要とされる最強マナー』(日本文芸社)、『大人の人間関係』(日本文芸社)などがある。 この人の回答一覧を見る
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