シンガポールに来てから、いつも日本のニュースを見て初めて「あー、そういえばもうすぐバレンタインだった」と気がつきます。と言うのも、シンガポールの2月は旧正月一色。


そもそも日本ではクリスマスが終わった途端に、バタバタとお正月の準備をし始めますが、シンガポールに入ると1月になってもクリスマスツリーがあることも。そして1月後半から旧正月のイルミネーションや飾りが始まります。なので、2月はじめから街中にハートが溢れることはあまりありません。

もちろんシンガポールでもデパートなど売っている場所にはバレンタインギフトはおいているのですが、女性から男性に……という認識も強くなければ、ましてや「義理チョコ」なんてものは極めて日本的。

つくづく日本では一大イベントに仕上がっているんだなぁということに気づかされます。それが、ときにはプレッシャーに感じられるほどに……。

思えば、社会人1年目、2年目の時、職場での義理チョコをどうすべきか頭を抱えました。

1年目は、何もしないのも「気がきかない」「女子力ない」といじられそうで、お世話になっている方々へのお礼という意味で、同じグループの上司と先輩4人、当時入っていた取材班のメンバー4人くらいにそれぞれ1人ずつ用のチョコを配りました。

配った相手はびっくりした様子で喜んではくれましたが、あとから「あっちでもこっちでも配っていて、結構したたかなんだね」みたいなことを言う人もいました。「君は気がきくなぁ」と言われても、別の同期女性が「それに比べてあいつなんか」と貶められる可能性も湧いて、あまり良い方法ではなかったと思いました。
 

 

2年目は大きな箱入りチョコを記者クラブのソファーの前に置いて、自分だけ出し抜いたようにならないようにと思い、同じクラブの女性の先輩に一言断って「皆さんでどうぞ 女性一同」とメモを書いて置いておきました。しかし、よく考えたら出張のお土産じゃないのだから、そんな風に渡されても誰も嬉しくないし、あまり皆食べてくれない……。

もとから求められてもいなかったのを、勝手に試行錯誤してしまったわけですが、3年目以降はもはや悩むのもくだらなくなり、職場では何もしなくなりました。

普段、男とか女とか意識することなく働いているのに、急にそこで自分が女であることを意識させられるという意味でバレンタインは何とも居心地が悪いイベントだし、「義理チョコ」というワーディングにより職場で適切に「女の子」をやろうとしてもなかなか難しい。

最近は「本命チョコ」より「自分チョコ」のほうが予算が高くなっているなんてニュースも見ました。各国の美味しいチョコが買いやすくなるチャンスではあり、男女ともに、自分含めて一番買いたい相手に買うイベントにしたらいいのだと思います。