前回は装丁萌えの話を書きましたが、今回は最近話題となっている「本と出会う場所」として新しい提案しているユニークなスポットを紹介します。

本と出会うための本屋「文喫」

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六本木交差点近く。元「青山ブックセンター」の跡地にオープン。入場料(1500円)のある書店として話題に。私も利用しましたが、噂にたがわず賑わっていました。それから近くを通る度にのぞいているのですが、本当に大人気スポットになっているな、と思います。(イラスト/HPより)
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珈琲と煎茶がおかわり自由。(写真/HPより)

漫画喫茶的な入店システム(時間制限はないですが)ではありますが、ここで時間を過ごしている人たちは、ホテルのラウンジでくつろいでいるようでもあり、コワーキングスペースで働いているようでもあり、図書館のようもであり……入店する曜日や時間帯でも店内の雰囲気は様変わりするのだと思うのですが、立地の特徴でもあるのか、使い勝手が個人に委ねられているところがいいですね。読書離れが嘆かれている昨今ですが、今、必要なのは本とのタッチポイントづくりだな、と出版社勤務の人間として、しみじみと。


ブックホテル「箱根本箱」
 

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これがホテル? (写真/HPより)
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お部屋にも本がたっぷり。(写真/HPより)

けっして本好きな人だけに向けたホテルではない。むしろ「あまり本は買わない」「最近は本はご無沙汰だなあ」という人にこそ、ぜひいらしていただきたい、“本と人との出会いの場”ーーと謳っている話題の宿です。「一度、宿泊してみたいなぁ~」と夢想している宿なのですが、何がすごいって、宿に置いてある本がすべて購入可能だというところ。かなりレアな蔵書もラインアップされているらしく、眠る時間がもったいないとばかりに必死に読書してしまいそうなところが、私が想像するだに難点でしょうか(笑)。

泊まれる本屋というコンセプトの現在、全国6店舗展開中の「BOOK AND BED TOKYO」と言い、人々には「本に囲まれた場所で、好きな本を読みながら、寝落ちしたい」という潜在的願望があったのだなぁ、きっと。

「梟書茶房」

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一冊、一冊、ラッピングしてあるため、装丁が見えない斬新な書店。(写真/HPより)
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手がかりは書店の方による感想とオススメの理由のみ。気になる推薦文を見つけたら、それを信じて、購入あるのみ!(写真/HPより)

「これを買う!」と決めているならamazonなどのネット書店はやっぱり便利。でも、「何か読みたいなぁ。だけど選べないなぁ」と漠然と考えている方なら、この書店の在り方は革命なのではないでしょうか。こちらの書店は「本が好きで、本屋も好きで、普段から本を習慣的に読む人は別として、大抵の人は、そもそも読書の習慣を持たない」という方をターゲットにしています。「何か本を読みたいんだけれど、本屋さんに行くと物量に圧倒されすぎて選べない」という方にピッタリかもしれないな、と。「恋がしたいなぁ」とぼんやりとした思いを、信頼している友達に伝え、「会ってみなよ」と紹介されて落ち合うブラインドデートのようなものですものね(たぶん!?)。

「本にまつわるユニークなスポットが最近たくさんできているな」と思います。「読書が好き」という需要だけではなく、「本がある場所は気持ちが落ち着く(or集中できる)」「携帯とにらめっこしている時間を本と向き合う時間にあてたい」……と思っている方が一定数、いや、想像以上にかなり多くいるんだろうな、と。

皆様が、本と恋に落ちる場所はどこですか?

今日のお品書き
思いっきり気になっています、映画『翔んで埼玉』。原作は、『パタリロ!』で知られる魔夜峰央先生。埼玉県民を迫害する東京都の名門校を舞台にした本作を映画化したのは、『テルマエ・ロマエ』の武内英樹監督。須永さんの記事を読み、もう、いてもたってもいられません! 今すぐ映画館で笑い転げたい(笑)。