プロジェクトの詳細が決まっていない段階で「費用はどのくらい」と質問すると「場合によります」「やってみなければ分かりません」と素っ気なく答えてしまう人はいないでしょうか。営業職の人でも「納期はどのくらいですか?」との顧客からの質問に対して、平気で「状況によりますね」などと返答しているケースを見かけます。

確かに詳細が決まらなければ、細かい数字は分かりようがありません。しかしながらイベントであれば、30人集めるイベントと、100人集めるイベント、そして500人集めるイベントでは、当然、予算のケタが違ってきます。

 

内容が違えば金額も変わりますが、一般的に考えて30人規模のイベントなのに、500人規模のイベント同じくらいコストがかかるということは考えにくいことです。他の事例と比較したり、費用の主要項目を中心に考えることで、「詳細は状況によって変化しますが……」と前置きした上で「〇〇万円程度になりそうです」と説明することは可能なはずです。

大雑把でも具体的な数字を聞くことができたケースとそうでないケースとでは、相手が感じる安心感や信頼感には天と地ほどの違いが生じてきます。こうした対応ができる人とできない人とでは、仕事の成果に大きな差がつくのは明らかでしょう。

細かいことにこだわり過ぎていると、全体像を把握するのに時間がかかることに加えて、ちょっとしたミスが全体の数字を大きく変えてしまい、結果としてとんでもない結論を出してしまう危険性もあります。最初に大まかな全体像を把握していれば、何かのミスがあっても、ミスではないかと疑うことができます。

職場でも上司から仕事を振られたら、何も考えずに取りかかるのではなく、自分に振られた仕事がどのような位置付けなのか、優先順位は高いのか、締め切りは絶対なのかといった全体像を最初に把握しておいた方がよいでしょう。これができれば「まだ出来ていないの」と言われたり、逆に「雑過ぎる」と指摘されるケースは少なくなると思います。

同じように家計の管理も全体像が把握できていれば、効果が薄い節約方法に血道を上げて時間と労力をムダにすることもありません。皆さんもぜひ「どんぶり勘定」を実践してみてください。

 
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