カトリックの方や、カトリックの学校に通っていらした方はご存知でしょうが、今年の四旬節は3月6日から4月18日までです。
この期間は伝統的に、食事の規制や祝宴の自粛が行われます。四旬節は基本的に節制の精神で自らを振り返る期間とされているからです。
私もこの習慣をずっと続けています。
ポルトガルのMonsarazという、私の家から車で1時間くらい東に行ったところにある小さな村の教会。
今となってはとくに宗教的な意味はないのですが、年1回、この期間に何かの食べ物をひとつ決めて、それを食べないのです。
子供のころは、キャンディーとか、アイスクリームといったものでしたが、大人になってからは、アルコール、炭水化物、砂糖などです。
今年は砂糖。ただしフルーツの果糖はよしとしています。
ですから、ケーキ、クッキー、チョコレート、アイスクリームなど、砂糖を入れて作ったものはすべてこの期間は口にしません。
3年前はアルコールでした。四旬節はちょうどニセコに滞在していて、スキーの後に美味しそうに日本の生ビールを飲む家族の前で、水を飲む私。
普段でも月曜日から木曜日までは、食事の際にワインを飲まなようにしているのですが、何かしらの理由があって飲んでしまうことも多く……。
このように一定の期間、アルコールを抜くのは体にもいいです。
去年、グルテンを規制したのが一番簡単でした。 美味しいパンとバターが私の定番の朝食なので、それを食べられないことだけがちょっと寂しかったのですが、グリテンフリーのミューズリーにフルーツを入れて、アーモンドミルクをかけたものが朝食に。
ひよこ豆などでできたパスタは普段でも愛用しているので、グルテンフリーにした去年は、4年前の炭水化物すべて抜き、に比べるとちょっと簡単すぎました。
私がなぜ、このLent、四旬節にこだわっているのかというと、何か自分の好きなものを一定の期間、我慢できるかどうか、自分自身への挑戦だからです。
ポルトガルとスペインの国境近くにあるMonsaraz。古代から山の上の城壁の中にある小さな村。
普段は宗教とはかけ離れた生活をしているクウェート出身のイスラム教徒の友達も、ラマダン中だけは断食しているのですが、それも私と同じ理由です。
自分で自分自身をコントロールできることの、小さな証明なのです。
普段は自分に甘い私ですが、年に一度くらいは決めたら最後までやり通すということが、大きな自信にも繋がります。
私の子供たちも、小さいころは子供らしいアイデア、チューインガムをやめるなどという思わず笑ってしまうようなことでも、自分なりに考えて一つのことを我慢してやり通した後は、とても嬉しそうでした。
今年は4月の前半2週間、日本に滞在予定で、その間に私の大好きな和菓子を食べることができません。
私がそのようなときにするトリックは、頭の中でその味を思い出して、満足すること。これは結構うまく作用します。
ヨーロッパはもちろん、アメリカなどでもLent中だからといえば、例えばバースデーケーキを食べなくてもみんな納得してくれます。
実は驚くほど、Lentをやっている人は多いので、社交的にも失礼になりません。
それに今年のLentが終わったあとの4月19日はパリにいるので、どこのどんなケーキを食べようか、ワクワクして考えることができるのです!
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