【貯蓄アップのカギ】銀行口座はいくつ持つのが正解?_img0
 

ファイナンシャルプランナー・コラムニストの西山美紀です。
「銀行口座、いくつ持ってる?」なんて、友達との間では決して出ない話題ですよね。
家族や親しい友人、夫やパートナーのことでさえも、銀行口座をいくつ持っているかは知らないかもしれません。

さて、いくつ持つのが正解でしょうか。
 

「口座は一つだけ」という方が多いけれど……


私は仕事柄、たくさんの方に「どんな銀行口座があるか」と聞いてきましたが、非常に多いのが「1つだけ」という方。もしくは、「学生時代に作った口座があるけど、会社に入って別の銀行を指定されたので、昔の口座は使っていない」という方。「地方銀行の口座を持っているけど、東京に引っ越しして使いにくくなり、メガバンクの口座をひらいた」という方。

そんな感じで基本的には1つの口座。お給料が入り、日々のお金を使い、「貯めなきゃ…」と思いながら「口座に残っているお金=貯金」という方がとても多いように思います。

実は、ここに問題があります。
口座が1つだけだと、つい使ってしまうからです。
いうなれば、ダイエット中なのに、テーブルにお菓子がいつも大量においてあるようなもの。
そりゃ、目の前にお菓子があったら手を伸ばしてしまいますよね。

お菓子を見ながら我慢しつづけるのには限界があるし、そんな我慢はしたくないので、目につきにくい戸棚(お金でいうなら、別の口座)にさっさと移した方が賢明。
それと同じように、貯めたいお金(使わないようにするお金)は、さっさと別の場所に移してしまいましょう。
 

赤・青・黄色の3つの口座を持つ

【貯蓄アップのカギ】銀行口座はいくつ持つのが正解?_img1
 


そこで私がおすすめしているのが、「赤・青・黄色」の3つの口座を持つこと、です。
「赤い銀行って、あの銀行ね…」「青い銀行ってあちらね…」という具体的な銀行名をさしているのでなく、信号のイメージを思い浮かべてみてください。

●赤の口座
「赤」の口座とは、信号の赤が「止まれ」と同じように、使うことをSTOPする口座。つまり、貯蓄専用口座です。

例えば、家を買ったり、車を買い替えたりするためのお金や、子どもの教育費、将来に向けた貯蓄などは、給与振込口座に入れっぱなしにしないで、「赤の口座」に必ず移しましょう。
(お子さんがいる方は、お子さんの名前の口座をぜひ作ってあげてください。うちも、下の子が生まれたときに、同時に2人分つくりました。もらったお年玉などを貯めています)

また、収入や家族構成にもよるのですが、少なくても手取り月収の1割以上は、毎月定期的にこの「赤の口座」に移すようにしておくと、貯蓄が確実に積みあがるのでおすすめです。

●青の口座
「青」の口座とは、信号でいえば「進んでOK」。つまり、普段使いの口座=給与振り込み口座です。

貯めるお金を先ほどの「赤」の口座に移しておけば、こちらの「青」の口座は使い切ってOK。「ああ、貯めないと…もっと口座にお金を残しておかないと…」と考えることなく、このお金は使い切っても大丈夫。
そうすれば、シンプルになります。日々忙しい私たちは、貯蓄の面ではできるだけシンプル&確実にして、貯蓄に対して使う“頭のメモリ”を減らしましょう。余裕ができた“脳のメモリ”は、別のことでぞんぶんに使えます。

●黄色の口座
「黄色」の口座とは、意外と作っている人が少ないのですが…赤と青の中間、つまり、「臨機応変に使うための口座」です。

ときどき思わぬ出費、臨時出費はあるものです。
例えば、冠婚葬祭があったり、地方に行くことになったり。スマホが壊れて買い替えることもありますし、友人は先日突然洗濯機が壊れて、必需品なので急いで買ったと言っていました。
ちなみに最近、うちの浴室乾燥機が壊れそうで、いよいよ買い替え時か…と戦々恐々としています。
でもそうして何かあるたびに、せっかく貯蓄専用にしていた「赤」の口座から引き出していたら、いつまでたっても貯まりません。
そこで、臨機応変に対応できる「黄色」の口座の出番です。10~20万円程度(生活にあわせて、もちろんもっと多くても)を入れておけば、対応できるのです。
使った場合は補充して、いつも使えるお金があるようにしておきましょう。


今回は、銀行口座の数についてお伝えしました。「そういえば、銀行口座が一つだけだった」という方は、ぜひ「赤・青・黄色」の3つの口座をつくってみてくださいね。

文/西山美紀
構成/片岡千晶(編集部)