西山
思っている以上に簡単に買えますよね。 カナさんは、投資信託の積み立てでどんなところが気に入っていますか?
カナさん
「いつでもやめられるし、いつでもお金をおろせる」という安心感でしょうか。
たとえば保険だと、中途解約をすると元本割れするケースが多いので、保険に入りすぎると「将来のお金は貯めているけど、今使えるお金がない」という事態に陥ってしまいます。投信なら、将来のために積み立てていたとしても、必要なときはすぐに解約できます。もちろん、相場が悪いときなど元本割れしている場合もあるので、時期によっては要注意ですが。
また、今後もし子どもの塾代などで家計が厳しくなったら、「毎月の積立額を2万円減らそう」などと臨機応変に対応できるのも安心です。
片岡
投信って、知らないうちにお金が減ったりしそうでなんだか怖いんですけど、意外と気軽にできそうな気がしてきました。
西山
今はネット証券なら、月に100円で積み立てられるところもありますしね。カナさん、以前はボン!と100万円で投信を買ったこともありますが、今後は……。
カナさん
もう懲りたので、ボン!と大きなお金では買いません(笑)。このまま投信の積み立てを続けていこうと思います。それ以外は全部普通預金ですけど(笑)。他の銀行への振込手数料やATM利用手数料がお得なので、新生銀行を愛用しています。
片岡
新生銀行がいいんですね!学生時代からずっと同じ銀行で……。
西山
私も新生銀行、持っています! ちなみに、他行への振込み手数料の安さでいえば、ソニー銀行や住信SBIネット銀行もおすすめです。
今は、どんな感じで投信積み立てをしていますか?
カナさん
今は手取りの半分くらいを積み立てています。でも、資産がどれくらい増えているかはあまりチェックしていません。毎日価格を見て喜んだり悲しんだりするのではなく、しばらくした頃に見て「あ、増えてる!」というのが理想だと思っています。
実はこの間、住み替えのために資産の棚卸しをしたのですが、コツコツ積み立てていた分がちゃんと増えていました。やってて良かったな~と。
でもまだまだ、欲を出して失敗することもあります。例えば日経平均株価が下がったときに、「日本株の投信を買ってみよう」と手を出して失敗とか。トライ&エラーはいまだに……(笑)。
※日経平均株価とは、東証第一部に上場する2000ほどの株のうち、主要な225の株の株価の平均値のこと。(西山)
片岡
プロでも失敗するんですね!ミモレのスタイリストさんたちがよく「ファッションはたくさん着てみて、失敗しないとだめ」とおっしゃるのと、まさに同じ……。
西山
自分が経験してわかることは大きいですよね。私もたくさん失敗しています。
カナさん
ですよね。日経平均が下がっているから買おう!って買って……。
西山
次の日に、さらに下がるっていう。
カナさん
そうそう(笑)。目先にとらわれると、だいたいダメです。
結局、相場を読むことはできないので、長くコツコツ積み立てるのがいいんですよね。
西山
相場のプロからも「基本的にはまず読めない」とよく聞きますね。
ちなみに、ご主人は投資をされますか?
カナさん
わ、わからないです……。どうだろう?収入や貯金額を細かく聞いたことがなく、「今月の家計」と手渡されたお金で家計をやりくりしています。私の収入は……全部私のもので。
西山・片岡
なんて優しいご主人……!
西山
自由に使っていいというのは、ご主人に信頼されていることでもありますよね。でも、なかなか珍しいケースかも。お金についてよく話すご夫婦と、まったく話さないご夫婦、話すとケンカになるご夫婦……といろいろなタイプがいますが、いかがですか?
カナさん
うちはまったく話さないですね。景気減速なんていうニュースを見たときなど、「私の積立投資も、実はいまマイナスになっちゃてて・・・」と軽く伝えたことはありますが、「いくら損しているんだ」や「投資をやめろ」とは言われたことがありません。
西山
お金の話をしても、お互い機嫌が悪くならない夫婦は、お金が貯まりやすいように思います。ちなみにお子さんは小2で、ご夫婦で教育費など将来の話はしますか?
カナさん
「私立に進むと結構かかるみたいだよ」という話を、夫に耳打ちし始めたところです。具体的なことは、これから話し合っていかなきゃいけないですね。
投資信託以外のお金の増やし方は?
西山
ちなみに、保険はどんなものに入っていますか?
西山
ご主人に万が一のことがあったときに、請求できない……?
カナさん
あ、保険証券を置いてある場所はわかります! 全部まとめてセットにしてあって。
西山
それなら大丈夫そう!
カナさん
あとは学資保険にも入っています。
投資信託を扱う会社の一員としては、子どもが生まれてから大学に入るまで18年間もあるので、本当は保険ではなく積立投資の方が合理的だと思います。
でも私の場合、子どもが生まれた当時、金融資産のうち運用比率が高かったので、あえて学資保険にしました。満期前に解約するとかなり減ってしまうので、うっかり使ってしまう抑止力にもなるし。
子どもが0歳のときに、夫と私でそれぞれ500万円の学資保険を契約し、一括で払い込みをしました。このお金はなかったものとして生活しています。
西山
これだけあれば、お子さんの将来の選択肢が広がりますね……。お金のことって、本当に生き方や性格があらわれますよね。
カナさん
私の性格では、こだわるところと、そうでないところと差があって。例えば、机の引き出しの中はものすごく整理整頓をするんですが、家計簿は一切つけていないとか……(笑)。
将来のためにしっかり準備をする一方で、いま必要なこと、楽しいことのために使うお金も大事にしたいと思っています。
将来について、お金の不安はあるのか?
西山
将来について不安ってありますか?
カナさん
もちろんありますよ!子どもが留学や医学部に行きたいと言い出したらどうしようとか、夫が急にお金の掛かる趣味に没頭したらどうしようとか、年金が大幅に減額されたらどうしようとか、考え出したらキリがありません。でも、老後までまだ20年以上あるので、その間に少しずつ準備していきたいなと思っています。
いろいろな銀行のサイトで、シミュレーションができますよね。現在の年齢、家族構成、金融資産、収支などを入力すると、将来の資産を予測してくれるんです。1年に1回程度シミュレーションをして、「よし、もうちょっと頑張ろう」なんて思っています。
西山
個人情報を登録しなくても、妄想の数字を入れてもシミュレーションできて面白いですよね。
カナさん
恥ずかしながら、いまの会社に入るまで自分の将来のお金についてほとんど考えたことがありませんでした。資産運用が必要だと思ったこともなく、普通預金でなにか問題あるの?という状態。
でも、仕事を通じて少しずつ勉強したことによって、自分なりのルールができたように思います。世の中には難しい仕組みの金融商品がたくさんあるけれど、まずは自分が理解できる投資信託を選ぶこと。それから、買うときはボン!ではなく(笑)、コツコツ積み立てをすることです。
いまは金融資産のうち約6割が投資信託で、残りが預金や保険です。
西山
お金の使いどころはどこですか?
カナさん
毎年、夏休みは海外旅行をしているので、できれば続けたいです。あと、これからは教育費ですね。
その他は、あまり大きなお金は使わないかな。夫はほぼ毎日家で夕飯を食べるし、夫婦ともに浪費タイプではないと思います。
西山
ご夫婦で価値観がずれていないから、安心感がありそう。
カナさん
はい、夫婦での不安はないですね。でもこれで実はお互い貯金がなかったら、「詐欺―!」って思いますけど(笑)。
撮影・構成/片岡千晶(編集部)
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