ファイナンシャルプランナー・コラムニストの西山美紀です。人にはなかなか聞けないお金の話。私は取材のため、いろいろな人に根ほり葉ほり、お金の話を聞かせていただいてきました。貯められる人、貯められない人、たくさん貯まっているけれど辛そうな人、貯金がなくても楽しそうな人と、実にさまざま…ですが、お金を貯めている人は、大きく2つのパターンに分かれます。
パターン① 手間暇かけて、楽しそうに貯めている人
パターン② お金を貯めるのには手間をかけず、日々を楽しむ人
さて、あなたはどちらを目指したいですか?
パターン①は、貯蓄が趣味のように大好きな人。手間をかけることを厭いません。
パターン②は、生活を楽しむために、貯蓄にはわざわざ手間をかけません。
多くの人が、後者を目指したいのではないかなあと…。
そんなわけで、今回はパターン②の「お金を貯めるのには手間をかけず、日々を楽しむ人」を目指す方法についてお届けしたいと思います。
手間をかけずに貯める3つの方法とは?
手間をかけずに貯めるには、「自動的に」「自分以外の誰かに」貯蓄をしてもらう必要があります。その方法を3つ紹介します。
(最初の2つは、よくある方法だと感じるかもしれません。特に注目してほしいのは3つめ。ぜひ最後まで読んでいただけたら…)
方法1 財形貯蓄で貯める
「財形貯蓄」や「社内預金」、といっても「そんなのわかっているよ…」と思うかもしれませんが、職場に制度があっても、申し込んでいない人も多くいます。
もし職場にあったらラッキー。給与天引きで貯められるので、空気を吸うように自然に貯まっていきます。全力でおすすめします。
「うちの会社は制度があったかな……」と思った人もいるかも。社内規定や福利厚生制度のお知らせが冊子になって配られた時代は、パラパラとページをめくり、隣の席の人に「これって何?」と話すこともあったけれど、WEB化された今は、「仕事がひと山越えたら見てみよう」と思いつつ、もう何年も、十何年も過ぎてしまっていませんか?
こちらのコラムをご覧になったのがご縁ということで、ぜひ次の出社のタイミングで、財形貯蓄や社内預金などの制度があるかを確認してみましょう。
よく見てみると、「うちの会社では、財形貯蓄でさらに1%の上乗せがあった!(この超低金利時代に!)」と驚いた人も。見逃していたらもったいないですよね。
まずは手取りの1割程度(仮に手取り20万円なら2万円)を、毎月貯めるように設定しておけば、いつの間にか大きな金額になるはずです。
方法2 銀行の自動積立定期預金で貯める
給与振り込み口座で、毎月勝手に定期に振り替えてくれる仕組みが「自動積立定期預金」。名前の通り、「自動で積み立てて」「定期預金にしてくれる」わけです。
基本的に日付を自分で決められるので(いくつかの日にちから選ぶ場合も)、給与振り込み日の直後にしておけば、給与天引きのような感じで貯められます。
「今は超低金利だし、定期預金にしても増えないし…」という人もいますが、普通預金とは別に分けておくことが目的。金利の低さには目をつぶり、まずは貯めることを優先させましょう。
方法3 ネット銀行に自動的に貯める
お待たせしました、3つめの方法です。
自分が持っている銀行から、ネット銀行に自動的に貯めていく「定額自動入金サービス」です。
「何それ?」と思った方もいるかも? あまり知られていないサービスですよね。
一般の銀行から、ネット銀行に、「決まった日に」「決まった金額を」「自動的に」「無料で」移してくれるサービスです。
例えば、メガバンクのA銀行を給与振込口座にしていて、ネット銀行のB銀行に月2万円を貯めたいと思ったとします。毎月わざわざA銀行のATMに行って並んで2万円をおろして、その2万円をB銀行の口座に移し替えるって…けっこう面倒ですよね。
今はATMに行かなくても、ネットバンキングで振込みすることもできますが、毎月IDやパスワードを入れるのは手間だし、手数料がかかることもある。ああ、やっぱり面倒です。
ですが、このサービスなら、一度申し込みをしてしまえば、あとは勝手に行ってくれます。例えば「毎月27日に」「自動的に2万円を移す」ことが自動的にできてしまうのです。(ネット銀行によって、選べる引き落とし日は異なります)
このサービスがある主なネット銀行は、ソニー銀行、イオン銀行、ジャパンネット銀行、住信SBIネット銀行など。(「おまかせ入金サービス」「自動入金サービス」「定額自動入金サービス」「定額自動入金」など名前が異なります)
ただし1点注意点が。メガバンクなら大丈夫ですが、小さな銀行の口座からの場合は、自動入金サービスの連携ができない場合があるので、一度自分の口座とネット銀行との連携ができるか、確認してみてください。
ネット銀行は、メガバンクなどよりも金利が少し高いので、口座を持っていない人は一つ持っておくことをおすすめしたいです。
というわけで、手間をかけずに、でも確実に貯蓄を積み上げていきたいと思った人に、3つの方法をお伝えしました。楽しく貯めている人は、自動的に勝手に貯まる仕組みがあります。まずは、まねしてみてくださいね。
構成/片岡千晶(編集部)
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