東西と新旧が混ざり合い、カラフルでエネルギッシュ、歩いているだけで元気になる。
そして、美味しいものばかり! 香港のそんな魅力が再発見されて、ただいまブームが再来中。
2019年1月、香港への日本人出国数は11万3千人(昨年比+6.4%)と堅調に推移しているし、
私自身、昨年からTV番組や女性誌の企画がすごく増えたのを肌で感じている次第。
GWの超大型連休の過ごし方を検討中の方、まだ間に合いますよ! 夏の猛暑がやってくる直前で、まだ街歩きがしやすい時期なのです。
ここを訪ねれば、最旬と伝統の両面をしっかり楽しめる、広東美食や点心、ホテル、バー、ショップの厳選スポットを5回にわたり紹介していくので、GWの香港旅計画の参考に。
第1回目は、エレガント美食の新潮流を感じる、激オシ広東料理店を熱~く紹介します。
※出所:法務省「出国管理統計」


大人の香港旅にマスト! 世界中から美食家を集める名店

①麗しい非日常空間で、北京ダックやイベリコ叉焼豚、
点心に豪華な一品料理……名人シェフの味を満喫
「Mott 32」


世界でも香港と言えば最高の広東料理を安心して楽しめる、本場中の本場。ランチでもディナーでも、ハイライトな1軒をプランに折り込むと旅全体の満足感がだんちがい。そんな中でも、公私ともによく利用するのがモット32。

香港有数の風水スポットにあるスタンダードチャータード銀行本店ビルの専用エスカレーターを下り、香港がひなびた漁村だった過去へのオマージュである魚網のオブジェが飾られた階段を下りているうちに、気が付けば艶やかな非日常空間の中にいるのです。

もはやここも風水スポットですね


噛みしめるほどに幸せ、広東の“焼きもの”


さあ、いよいよ食事の時間です! モット32の名物料理と言えば、北京ダックとイベリコ豚の叉焼豚。こちらで使うダックはすべて生後42日の北京産。ガラス張りの専用熟成室に、丸一日吊して、調理前に完全に水分を抜くことで皮がパリパリになり、しっかりした肉味が出せるのです。

GWに香港がおすすめなワケ。広東美食の新潮流を求めて。スライダー1_1
GWに香港がおすすめなワケ。広東美食の新潮流を求めて。スライダー1_2

北京ダック(42天飼養北京片皮鴨 ティンジーユンバッギンピンペイアープ) HK$750 北京ダックは手早く部位ごとに切り分けられ、さまざまな薬味でいただきます。

オープンキッチンにある窯の中には、じわじわと美しい焼き色をまといつつあるダックの姿が見えます。焼き上げるために使う薪には試行錯誤の末、リンゴの木を選んだそうで、キッチン周辺の床にも、その切れ端が飾られています。

北京ダックもイベリコ豚の叉焼も、一日の皿数が限定なので席の予約時に一緒に予約を。こちらの北京ダックは24時間前までの予約が必要です。

イベリコ叉焼豚(蜜汁頂級西班牙黑毛豬叉燒 マッジャッディンカップサイバーンガハックモウッジュウチャーシュー HK$325)


一流店を渡り歩いた名人シェフが取り仕切る「Mott 32」


モット32では、一品料理や炒飯、デザートなども、正統派の味でしっかりと調理されていて、味の濃さもほどよく、万人受けする美味しさが強みです。総料理長は李文星(リーマンシン)さん。多数の広東料理店で経験を積んで、マンダリン オリエンタル香港の文華廳総料理長からMott 32総料理長へと転身。ホテルのレストランと比べて、柔軟に新しい料理を考案してメニューに取り入れられるところがとても楽しいそうです。

李文星(リーマンシン)総料理長です。

「伝統的な広東料理を、モダンな調理法と高級食材を使って、洗練された料理に進化させるのが私の真骨頂」とシェフ。点心から焼きもの、一品料理のすべてをマスターしたうえで、上海や四川料理の要素もところどころ取り入れるなど、長年の経験と技が生かされています。

おなじみのあの料理がゴージャスに変身


この店の代表格がロブスター麻婆豆腐。麻辣(マーラー)と豆板醬(トウバンジャン)を使ったチリソースで豆腐を調理し、最後にロブスターを加えて、ロブスターの柔らかさと食感を保ちつつ、頭部の殻を華やかにあしらうという、おなじみの家庭料理の豪華版です。

ロブスター麻婆豆腐(南非龍蝦配麻婆豆腐 ナームフェイランハープマーポーダウフ)HK$680)

ランチタイムなら、点心もお見逃しなく。酸辣湯を含んだオレンジの小籠包や、ウズラの卵とトリュフの焼売など、伝統とモダンが共存する絶品が勢揃いしています。

GWに香港がおすすめなワケ。広東美食の新潮流を求めて。スライダー2_1
GWに香港がおすすめなワケ。広東美食の新潮流を求めて。スライダー2_2

酸辣湯小籠包(海鮮酸辣小籠包 ホイシンスンラアシウロンバオ 4個HK$95) ウズラの卵とトリュフの焼売(黑豚肉松露鵪鶉蛋燒賣 ハク チュンユックチュンロウアムスンダーンシウマイ)2個HK$70)


モダンとレトロが見事に融合したインテリアデザインを手がけたのは、香港でも人気の女性デザイナー、ジョイス・ウォンさん。見どころが多数あるので、食事が一段落したら店内を一回りしてみてください。

異なるスタイルのライトが見事に溶け合った空間

「モット32」という店名は、19世紀半ばにニューヨークのチャイナタウンが誕生するきっかけになった、モット街32番地の雑貨店が由来。それにちなんで、天井に巨大なそろばん風装飾があったりするのです。アンニュイな壁画の女性たちも麗しく、目を奪われます。

天井の巨大そろばんや壁画の女性が印象的

最高の空間でいただく、最高の料理。ランチもディナーも人気が高いので、早めに予約を入れておくことをお勧めします。

住所   中環徳輔道中4-4A號渣打銀行大廈地庫
tel. 852-2885-8688
営業時間   12:00~14:30、18:00~23:00 無休
予算目安    ランチHK$400~600、ディナーHK$700~1000
WEB    www.mott32.com

 
  • 1
  • 2