10連休という長いゴールデンウィークも目前です。すでに旅の計画を立てていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
「母とヨーロッパへ行く」の連載中、一番皆さんに読んでいただいたのは、旅におけるファッションのお話でした。どういう服を着ていくのか、どうコーディネートするのかということに皆さん、とても興味があるんだなあと思いました。そこで、今回は私のように、“おしゃれ上級者でなくても簡単にできる”春夏の旅ファッションを紹介いたします!

前回、ヨーロッパへの旅行では、着心地よいと同時に、それなりにきちんと見えるファッションを心掛けているというお話をしました。その考え方は、春夏でも同じです。きちんと見えるファッションとそうでないときとでは、明らかにレストランやホテルのスタッフの対応が違うという経験を重ねてきたからです。ちょっと嫌な思いをしたり、情けない思いをしたりして学んだというわけです、はい……。そして若いときには、暑いから、楽だからと着ていたTシャツ&デニムといったカジュアルな服がいつの間にか似合わなくなったということもその理由のひとつです。

私が機内に持ち込むのは大小2つのバッグ。大きなほうにはプリントアウトしたホテルの予約フォーム等と、マスクやスリッパなどの機内でのケアグッズを入れます。秋冬はゴブラン織りのトートでしたが、春夏はキャンバス地のタイプに。
もうひとつの機内バッグは、お気に入りのグローブトロッターの淡いネイビー×アイボリー。こちらは街歩きのときなど旅で持ち歩くものです。秋冬は濃いネイビー×黒でしたが、少しだけ軽やかなものにスイッチ。

まず、旅の春夏ファッションで、私にとって簡単で、かつおしゃれに見えるのに欠かせないのは、シルバーのバングルと、大きなイヤリング(ピアス)。
旅に持っていく服は着回ししやすいようにシンプルなものが多いので、シルバーのアクセサリーをポイントにしています。白いシャツやサマーニット、あるいはカジュアル度の高いトップスの時でも、シルバーのバングルを何本か重ね付けしたり、大きなピアスをしたりするとぐっと大人っぽく、おしゃれに見えます。また、シルバーのアクセサリーは、ゴールドよりシャープな雰囲気になるので、春夏の季節感にも合います。そして、春夏の場合、ネックレスはあまりつけません。襟の形を選ぶし、汗でべとべとする気がするからです。

時計もバングルと合わせてシルバーのものを合わせます。時計のみをつけるより、ぐっとこなれ感が出るような気がします。

秋冬と同じく重宝するのは、しわになりにくい素材のプリーツスカート。前回もお話ししましたが、飛行機での服はそのままホテルに行く服でもあるので、旅の中でも大事なファッションの一つです。その点、プリーツスカートは機内で足を伸ばしたりなど多少お行儀が悪くてもスマートに隠せるし、それなりにフォーマル感もある優れものです。ファッション的にも流行っているので、ちょうどよいアイテムではないでしょうか。

こちらは機内でのファッション。丈が短めのふわっとしたシャツは、スカートにもパンツにも合わせられ、着回しが利くので便利です。スカートのときは短めにカシュクールにして着ます。旅に欠かせないプリーツスカートは、春夏は明るめの色をチョイス。

軽いアウターは一日の寒暖差の大きい、春夏のヨーロッパ旅の必需品です。こちらも、秋冬と同じように、素材は軽めでも、長めの丈のものを選びます。中に着る服をほぼ覆ってくれるので、どんな丈の服ともバランスを気にしなくていいし、きちんと感もあるので、今では旅には欠かせないアイテムになりました。とはいえ、トレンチコートなどベルト付きのものは、最近はあまり着なくなってきたのも事実。不器用なのでベルトの処理がうまく形にできないことがあるのです(苦笑)。そんなわけで今、私が気に入っているのは、スタンドカラーとか、首元の開きが狭いストンとした形のコート。少し襟が立っているとマダムっぽくエレガントに見えるような気もします。中に着る服の色や、ネックラインなどとの相性を考えなくてよいし、着回しが肝心な旅にはおすすめです。

先ほどのシャツをパンツに合わせるときは、カシュクールになるボタンを外して、丈を調整します。このシャツは私のように丸みを帯びた体形をすっきり見せてくれるお気に入りの一枚で、色違いで黒も持っています(笑)。パンツは、締め付け感のないストレートタイプで、ストレッチが効いた素材。きちんと見えるけどラクなのがポイントです。


そして、旅の最終日はおしゃれしてディナーに行きましょう! ちょっとフォーマル感のある黒のワンピースが私の定番ですが、春夏のこちら(写真下)、実は薄手のニット素材。カジュアルな素材のニットでも、つるんとしたハイゲージで光沢があるものを選べば、夜のお出かけにも違和感がありません。シワにならないし軽いし、旅にぴったりです。ワンピースがものすごくシンプルなので、アクセサリーはボリュームのあるものを合わせます。旅におけるアクセサリーって、普段以上に重要なアイテムです。

シンプルな黒のワンピースには、ロングのパールネックレスを手首にぐるぐると巻いてブレスレット代わりにします。ボリューム感が加わってぐっと華やかに。

そしてそして……私が「何より大切」だなと感じるのは、姿勢の良い背中と長い首。もちろん、自分でできる範囲なのは言うまでもありませんが(笑)。
ヨーロッパの素敵な街並みを、背筋をピシッと、首をすっと伸ばして足早に歩くマダムたちをよく見かけます。最近は図々しくなってきたのでそんなことはなくなってきましたが、海外にいると、現地のマナーがわからないことや言葉の面などで自信のないことが、なんとなく姿勢に表れてしまうときがあります。西洋人と違って、脚も腕も首もさして長くない日本人こそ、堂々と良い姿勢でいることが一番のおしゃれではないかと年齢を重ねるにつれてとみに感じるようになりました。

そして、最後に皆さまにお知らせです。
この度、東京・二子玉川の蔦屋家電さんで私のトークイベントを開催していただけることになりました。実際に服やバッグなどをお持ちしますし、今回お話しきれなかった着回しや旅の失敗談や成功例などについてもお話したいと思っています。ご都合が合う方はぜひ、遊びにいらしてくだい!

では、皆さまに、近いうちまたお会いできることを楽しみにしております!


 イベント告知 

GW直前! 太田篤子さんトークイベントを開催します。

『母とヨーロッパへ行く 母+娘=100歳~の旅』刊行記念
あなたの旅をより楽しく、より素敵に!

2019年4月19日(金)19時~
二子玉川 蔦屋家電BOOKにて
お申し込みはこちら>>

※ミモレ編集部スタッフによるアテンドはございません。

 

 

『母とヨーロッパへ行く 母+娘=100歳~の旅』

太田篤子 著 11月22日発売 講談社刊 144ページ 1400円(税別)

高齢の母とストレスなく、コスパよく、母も自分も楽しい旅にするには? 飛行機やホテル予約のポイント、ちょうどいいファッション、体調管理のための持ちもの、予定の立て方―――また行きたくなる旅プランと安心に旅するコツもご紹介します。

 
 

 

第1回「母は旅のベストパートナー?」はこちら>>
第2回「今こそヨーロッパの田舎へ」はこちら>>
第3回「ホテル選びに最大限の情熱を!」はこちら>>
第4回「眺めのいい部屋でシャンパンを」はこちら>>
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第7回「母との旅の食事問題」はこちら>>
第8回「旅のファッションについて①」はこちら>>
第9回「旅のファッションについて②」はこちら>>
第10回「旅のファッションについて③」はこちら>>
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