男性に対しては“ロマンチック仕上げ”をしてあげる

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では、すべての女性が、「人間として信頼できるか」という判断力に優れているのか、と言うと、そういうことでもないと思います。

当選して、永田町で実際の立法活動をするようになると、いよいよ女性としての力が出てきました。とにかく「メンツ」にこだわらないので、誰の成果にしようと、「実」さえとれればよいのです。(もちろん、メンツとは別の次元で「恩義」がちゃんとありますので、自分の手柄を譲っておけば、次のプラスにつながります)。
私にとって、大変思い入れのある法案の改正作業に取り組んでいたときのエピソードをご紹介させてください。「子どもの権利」という言葉をどうしても入れたかったのですが、若い野党の私の意見に、与党のご重鎮は賛成してくれません。
彼に対し、若い野党議員としては、「日本は国連の子どもの権利条約を批准しているのに国際的に恥ずかしい」とか、「子どもの権利を認めないなんて、なんて時代遅れな」などと声高に訴えることはしませんでした。
私は「〇〇議員ほどの物の分かった方が賛成できないのなら、何か理由があると思います。なぜ賛成できないのか、何が心配なのかを教えてください」と穏やかに聞いてみたのです。
ご重鎮はなにを心配しているか本音を話してくださり、「大人に教育してもらえない環境にある子どもたちのための法案」だという、お互いの価値観で一致する部分があるとわかり、最終的に賛成してくれました。それどころか、法案全体がほとんど私側の「言い値」どおりになったのです。ウェブサイトに感謝の意を表面したところ、驚いたことにご重鎮がわざわざ私の事務所までお礼を言いに来てくれました。
「長いこと議員をやっているが、野党の議員から公的にお礼を言われたのは初めてだ」とのことでした。

この出来事は、いろいろな角度から、別のところでも考察しているのですが、本書の趣旨に照らし合わせて私がおおざっぱに振り返ると、
・メンツにこだわらなかったので自由に動くことができた
・相手への感謝の気持ちなどを素直に表現することができたので、相手の優しい部分を引き出すことができた

ということだと思います。
メンツにこだわらない女性だからこその能力、と言えると思います。

もう一つ、これまた私のおおざっぱな印象なのですが、女性は現実主義者、男性はロマンティストが多いと感じています。
男性に対しては、ロマンチックな仕上げをしてあげることが必要だと思ったことが多いものです。例えば、男性は頼りにすると頑張ってくれるし、ほめるととてもよく動いてくれる、というのもその一つかもしれません。メンツをつぶさないように気を付けることも。女性ならではのしなやかさで、相手の優しさを引き出せたらよいですね。

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『女に生まれてよかった。と心から思える本』

著者 水島広子 朝日新聞出版 ¥1300(税別)

「女性に生まれなければよかったのに」と思ったことはないだろうか。女子力からはじまって、加齢や美醜、モテ……。女性として生きるのに現代は面倒くさすぎる。全てのダメ女子たちに心から自分を肯定し、女であることに幸せを感じられる方法を伝授する。

構成/藤本容子(編集部)

・第1回「「女」度が高い人が同性から嫌われやすいワケ」はこちら>>
・第2回「年をとると「他人目線」から脱却できるワケ」はこちら>>

 
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