西山
保険については、いかがですか?

 

クミさん
保険は最低限にしようと話して、学資保険には入っていないんです。夫婦でがん保険と、収入保障保険に入っています。あと、夫が積み立てで貯蓄タイプの死亡保障がついた保険も。保険料は2人あわせて月2万円もいかないくらいかな。

がん保険はオリックス、収入保障は三井住友、積み立ては外資系の会社だったと思います。
子どもの教育費は、我が家では貯蓄で考えています。

※収入保障保険とは、万一の死亡等の際、例えば65歳まで月10万円や15万円などの保険金が、お給料のように振り込まれる保険。まとまって数千万円の保険金が出るタイプよりも、保険料が一般的に割安です。(西山)

西山
あとは不動産があるから、ご夫婦に万一のことがあったら、以降のローン支払いがなくなるのも、保険の一つになりますね。クミさん、保険に詳しい印象……。

 

クミさん
はい、夫が以前の仕事が保険関係で詳しくて。私がお金に関して詳しくないので、すごく助かっています。

西山
銀行はどちらを使っていますか?

 

クミさん
新生銀行です。他の銀行への振込手数料がかからない(※上限あり)ところがいいですね。これも夫からのアドバイスで(笑)。

夫婦でお金の話をよくしていて、近所の道を歩いていても、物件売り出し中の看板によく目が留まります。「最近上がったね」「下がったね」なんて、リサーチしているような感覚。東京オリンピックが決まった後も、「やっぱりすごい上がってきたね」という話をしました。

西山
定点観測、素晴らしいですね。お金に対する考え方は実に人それぞれですが、クミさんはどのように考えていますか?

 

クミさん
お金は必要なものだけど、そればかりにとらわれるのは好きではないですね。ただ、今は仕事をして稼いでおかないと、将来年金をたくさんもらえるかがわからないので怖い、という思いはあります。教育資金や老後資金で心配がないように、しっかり準備していきたい。

もし、55歳くらいにローンが完済できれば、その後は家賃収入が入っていくから、それまでに数千万円の貯蓄があれば、仕事を早期引退できるかもしれない。仕事に縛られずに、夫婦で自由な暮らしをするのが夢なので……。

西山
そういった将来が見えると、気持ちにもゆとりができますね。

 

クミさん
はい、今はローン返済のために働かないといけないから、まず10年はがんばろう!と(笑)。

毎年確定申告をする必要があるので、私が不動産関連の決算書を作っています。物件が2人の名義なので手間はかかりますけど、以前にファイナンスの仕事をやっていた経験が活かせてよかったと思います。夫が財務担当、私が経理担当と、お互いが得意なところを分担している感じです。

 

片岡
なんだかクミさん、数字にものすごく詳しい印象。理系だったんですか?

 

クミさん
いえ、文系出身です! でも算数や数学は好きだったかな。シミュレーションや事業計画をつくっていても、全然苦ではないんです。

最初、不動産に挑戦するときは、ものすごく大きなリスクだと思っていたのですが、いざやってみると、今はそれほど大きなリスクは感じないですね。最悪のケースを考えたうえで始めたのがよかったのかなと思います。先日、入居者さんが結婚して退出したのですが、新しい人がすぐ入ってホッとしました。Wi-Fi無料や更新料不要など、サービスをつけたのもよかったのかな。

西山・片岡
なんだか楽しそう!

 

クミさん
はい、結構楽しいですね。賃貸収入があれば、自分たちの家賃が月9万円というのも助かります。賃貸経営を続けながら、将来夫婦で自由な時間を持てるように、まずはこの10年、仕事と子育てと貯蓄をしっかりがんばろうと思います!

文/西山美紀
撮影・構成/片岡千晶(編集部)