ファッション誌でユニクロ特集を何度も担当し、自身もユニクロを愛用するファッションエディター伊藤真知さん。とはいえ、全身ユニクロでコーデすることはほとんどないのだそう。伊藤さんの初の著書『「ユニクロは3枚重ねるとおしゃれ」の法則』に、その「なるほど!」な理由が綴られています。

気分が上がるお気に入りのBLACK BY MOUSSYのリメイクデニムと、気分が落ち着くユニクロのシンプルなニット。春、初夏、晩夏、秋、冬と、ニットが着られる限りはほぼ一年中、こんな格好をしています。


大人のおしゃれには、気分が「上がる」も「落ち着く」も必要です


大人になり、以前と比べて人と会う機会が減ってくると、いかにコーディネートのパターンを多く持っているかよりも、一回一回をよりおしゃれに見せたいとか、楽しみたい、と思うようになりませんか? 私がユニクロを好きな理由の一つは「シンプルで合わせやすい」ことですが、それは悪い言い方をすれば「無難」や「無個性」でもあること。楽しいとか、着ていて気分が上がるという点においては、ほかの服の力を借りたほうがいいときがあります

私の場合、それは昔から好きな「デニム」だったり、着ているとテンションが上がるような「ピンク」。どちらもいいと思ったら、つい手に取ってしまうものですが、大人の今は仕事もあるし、あまり気にしないほうとはいえ、人の目もある。だから、“カジュアルすぎ”とか“甘すぎ”の調整役として、ユニクロのベーシックな服も必要。「上がる」と「落ち着く」のどちらもあって初めて、大人のおしゃれは完成するんじゃないかなと思います。そのために私が実践しているルールは、ユニクロは「5割まで」。そして残りの5割のポイントは、特定のブランドに偏らないことです。

ELINのボリュームスカートの甘いピンクを品よく見せてくれるのは、ユニクロのコンパクトな白ニット。1枚目の写真のコーデと同じ、クルーネックニットです。


ユニクロ以外の服を、大人はどこで買うべき?


ユニクロ以外で私が行くのは、信頼できるセレクトショップや今いちばん勢いのあるブランドが集う駅ビル。ふだんはあまり縁のないヴィンテージショップや一流メゾンの路面店をのぞくこともあります。経験も自由になるお金も増えた大人の今は、若いときより格段におしゃれの選択肢が増えているのですから、いつまでも狭いテリトリーの中で似たものばかりを買っていてはもったいない! 楽しいものや、着ていて上がると思うものに出会うには、冒険とチャレンジ、そして多少の投資は必要です。

子どもの頃、いつまでも同じドリルをやっていてはわからなかったことも、まったく関係のない本を読んだり、いつもと違う部屋で考えていたらふと解けることがありました。きっと、そんな感覚に近いのかもしれません。それが正解かどうかはさておき、大事なのは「あ、わかったかも!」=「似合うかも!」と思えたときの高揚感やワクワクする気持ち。見たことも着たこともないショップで買えばいいというわけではありませんが、ときには流されたり、“らしくないもの”に挑戦してみるのもひとつの手。遠回りのように思えることが、いちばんのおしゃれの近道になることだってあるのですから

伊藤 真知(いとう まち)

ファッションエディター。1979年生まれ。津田塾大学卒業後、出版社に勤務。その後フリーとなり、『VERY』『with』『BAILA』『Marisol』など、幅広い女性誌で活躍。ファッションページの編集やインタビューの他、ブランドのカタログ製作なども手がける。ユニクロをテーマにした企画も多く担当し、自身もユニクロを偏愛。本人のシンプルだけれどどこかお茶目なカジュアルコーデはさまざまな媒体で注目されている。

 

「ユニクロは3枚重ねるとおしゃれ」の法則』
著者 伊藤 真知 講談社刊 1540円


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撮影/須藤敬一(人物)、魚地武大(TENT/静物)

出典元:https://kurashinohon.jp/1044.html

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