MBさんは

おしゃれになる→自信がつく→褒められる→差別化できる

※差別化=人とは異なる思考や行動で、素晴らしい結果、人とは違う成果を生む

おしゃれはこのスパイラルを生み出すことができるチートスキル(≒裏技のようなスキル)。「自分がおしゃれだ」と自覚できたときにこそ、思考は変化し、行動に現れ、結果を生み出すことができる。だからこそその手助けをしたいのだと力説します。

取材中、不躾に「MBさんの強みは?」とおうかがいしたところ、「僕の提案はスタイリスト目線じゃなく、あくまでも販売員目線(注:MBさんは元販売員さんです)。お客様が何に困られているかがとても気になってきたし、ひとりのお客様がどうしたらおしゃれになれるのかをそれぞれ個別にずっと考えてきたんです。流行のものとか、恰好いいものも、個人的には大好きですけれど、おしゃれになりたいと考えているたくさんの方が必要としているファッション情報は、それではないということをハッキリと分かっていることでしょうか」と語られていたのが印象的でした。

「ファッションが好きになると、あれもこれも欲しくなってしまうのですが、そうするといつの間にか目的と手段を見失っていく危険性がある。自分がどうなりたいという目的があって、おしゃれはあくまでもその手段である、ということを忘れないでほしいな、と。もちろん、おしゃれが手段から目的になったら、そこから先は趣味の領域です。それはそれで楽しみたい方は存分に楽しめばいいんです」と自身もファッションアディクトであることを公言しているMBさんは言います。

インタビュー中、思いっきり前のめりで話をうかがいすぎて、終始、咲子に苦笑いをされていました。取材中は、抽象的になりがちなセンスという要素を、誰でも理解できるよう、咀嚼して言語化していく能力の高さに驚くばかり。「MBさんが働くモチベーションって何ですか?」と私が唐突に問うと、「これからAI技術が進むと、人間が働かない時代がくると思っています。そうすると、人間は文化や遊びを楽しむことに集中できる。つまり、自分の時間を自分のためだけに有意義に使うことが当たり前になる。歴史をふりかえっても、そういう時代は、文化や芸術、哲学などがとても深化する時です。自分が生きているうちにその時代がくるかどうかはわかりませんが、必ず人間が働かなくてもよくなる時代がくると思っていて、その時までにファッションをひとつの文化として確立させておかないと、という気持ちでやっています。今のままでは、ファッションは文化ではなく、ただの消費になってしまうと思うから」と何ともシビれるご返答!


「ファッションはひとつのきっかけで、そこから自分の人生をどう豊かにするのか、ということを考えていただきたいんです。ファッションはひとつの手段だと考え、真剣に考えすぎず、行き詰まってしまった時には“たかがファッション”と軽い気持ちで向き合っていけばいいのではないでしょうか。その“たかがファッション”で人から褒められ、自信がつくというスパイラルに入ると、自ずと行動をおこせる自分へと生まれ変われるんです。そうなって初めてファッションが“たかが”から“されど”という意味を含んでくるのだと思います」とMBさん。


本日、公開のインタビュー後編では、「おしゃれと自信の関係」について聞いています。自分のおしゃれに自信がもてない方はもちろん、トレンドに振り回されすぎておしゃれ迷子になってしまった方、おしゃれをする気力がなくなっている方など、自分のおしゃれを見直したくなっている方に、前編と併せてお読みいただき、ぜひ、ご自身の「おしゃれって何のため?」という問いに向き合っていただければ、と思います。

インタビューで「なるほど!」と思われた方は、MBさんの著書『幸服論』、とってもオススメです(MBさんが販売員目線であみだした、どなたでも自分に置き換えて取り入れやすい具体的なチートスキルもたくさん掲載されています)!
 

 
  • 1
  • 2