今年のゴールデンウィーク(GW)は10連休と過去最大規模になりました。多くの人が、長い休みを楽しんでいると思いますが、中にはGW中も仕事という人もいるようです。
多くの人が仕事を休んでいるからといって、皆が休んでしまえば、社会は回らなくなってしまいますし、稼ぎが定まらない働き方をしている人の中には、GW中も働かないとお金が足りなくなってしまうという事情もあるかもしれません。今回は休みが集中することの是非について取り上げたいと思います。
日本人は働き過ぎといわれていますが、年間の休日数という部分に限っていえば、実は世界でもトップクラスです。2019年における休日数(土日を除く)は17日ありますが、諸外国では10日以下というところがほとんどです。日本はここ20年、休日の増加に邁進しており、今や世界でもっとも休みが多い国の一つとなりました。
では、これだけ休みが多いのに、なぜ日本人はいつも仕事に追われているのでしょうか。その理由は、すでにあちこちで指摘されていますが、業務にムダが多く、皆が余分な仕事を抱えているからです。確かに休日の数は増えましたが、日本人の年間労働時間は欧州と比較するとかなり長くなっています。
つまり平日は残業をたくさんしているということであり、言い方を変えれば、あまりにも残業が多いので、皆が一斉に休まないと、際限なく仕事に追われてしまうということでもあります。実際、日本人の有休消化率は極めて低く、休みたい時に休める環境にはなっていません。
こうした全員一斉の休暇にはやはり弊害があります。もっとも大きいのは、混雑の集中化とサービス価格の上昇でしょう。
休日が集中してしまうと、当然のことながら、繁華街や観光地の混雑が激しくなります。サービスを提供している事業者も、その時がかき入れ時となりますから、どうしても価格が上昇しやすくなります。今年のGWは例年を上回る海外旅行の予約が入ったそうですが、航空機のチケットは一部路線では信じられないくらいのレベルまで上昇しました。
そうなってしまうと消費者は結局、高い出費を強いられますから、その後の消費に悪い影響を与えます。せっかく休みを増やして消費を活発にしようと思っても、反動による消費の抑制で効果が半減してしまうわけです。
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