近年、全世界的に低金利が続いていますが、シェアリング・エコノミーの進展は金融市場にも影響を与えています。景気に対する先行きが不透明なことや、中央銀行が量的緩和策を行っていることなど、低金利には様々な要因がありますが、大量のお金が要らなくなっており、高い金利を払ってもお金を借りる企業が減ったことも、金利が下がる理由のひとつとなっているのです。  

少し難しい話をしましたが、簡単に言えば、これからの時代は、お金をたくさん持っていることがそれほど有利ではなくなってくるのです。お金に過度に振り回されなくてもよいわけですから、これは多くの人にとって喜ばしい話といってよいでしょう。では、新しい時代において、もっとも価値のあるものは何でしょうか。それは自分に対する信用ということになると思います。

令和の時代にお金の価値が変わる、これだけの理由_img0
 

一昔前であれば、1億円のお金があれば、欲しいものを何でも買うことができました。とにかくお金をたくさん持っていることが圧倒的に有利だったのです。しかし、新しい時代においては、必要なものはシェアリングで調達できてしまいますし、むしろ、バブル期のようなお金の使い方はバカにされる時代です。

これからの時代は、ツイッターでフォロワーがたくさんいる、ブログで多くのアクセスを集めているなど、ネット上での信用が高いことが強力な武器になるでしょう。ツイッターでフォロワーが1万人いる人は、現金1億円を持っている人よりも、はるかに多くのことを実現できるという点において、個人の信用は現金を上回っています。

ここまで大きな話でなくても、コミュニティの中で一定の発言力がある人は、ピンチに陥った場合でも何とかなる可能性があります。今月の家賃を払わないと、家を追い出されてしまうという人が、1万円を貸して欲しいとツイッターで頼めば、おそらく善意でお金を出してくれる人が現れるはずです。

著名なブロガーになる必要はありませんが、「助けて」と人に言えることも能力のひとつですから、良質なネット・コミュニティに参加していることはそれだけで価値があるといってよいでしょう。

もっとも、個人の信用がその人の経済力を左右するのだとすると、自身の信用を高めるのも、貶めるのも自分次第です。先ほど、ピンチの時にはネットでSOSが出せるという話をしましたが、もし、その人に対してしっかりお金を返さなければ、その後は誰も、お金を貸してくれなくなります。

新しい時代は、昔と比べてお金に縛られる必要性は薄れるわけですが、自分自身に対する責任はしっかりと果たしていかなければなりません。「令和」という新しい元号には、春をもたらすという意味がありますが、新しい時代を「冬」のままにするのか、暖かい「春」にするのかは、すべて自分自身にかかっているといってよいでしょう。

 
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