私の日記の効能。記すべきは過去か!? 未来か!?_img0
最近、脳化学の池谷裕二さんにハマッています。数多くの著書を出版されていますが、ご自身が「正直に告白します、今回の対談は、その後の編集作業も含めて、過去の自分の本のなかで一番楽しかったです」と書かれているように、脳や心の書物をたくさん読まれてきたという作家・中村うさぎさんとの、軽妙なやりとりが本当におもしろい! 気づけばどんどん脳の不思議さ、奥深さの虜になる一冊です。『脳はこんなに悩ましい』 

バタやんも編集部ブログで「ちょっとした分量の文章に書いてみるっていうのはセルフメンタルケアにすごくいいなと思うんです」と書いていましたが、日記にはそういう効能も大きいなと感じています。池谷先生もこの対談本の中で「言語化すると、混沌としていた脳内がしだいに整理されていくのを感じますよね」と話されています。それを受け「悩んでいる友達の相談を受けていると、本人が勝手にペラペラしゃべっていて、そうのうちに結論が出ちゃうこともあるでしょ。こちらはただフンフンと聞いているだけなのに」とうさぎさん。

そう、そう、私たちはとかく場がうまくまわるように空気を読んで、グッとこらえてモヤモヤを溜め込んでしまうけれど、それを上手に毎日消化するためには、きちんと日記を使って気持ちを言語化してあげるのが、いちばん手っ取り早い心のデトックスであるような気がします。

そして、この対談本の中にはさらに日記に関するおもしろいやりとりが!

「パソコンに向かってブログを書くんですよ。昨日あったことを書くんじゃなくて、今日やることを書く。しかも過去形で。「今日は海馬回路の学術論文を書き上げた」「今夜は中村うさぎさんと楽しい話題で盛り上がった」。こう書くと、実際にその通りになる気がしています。〜中略〜 何も手をつけてない仕事でも『もうできた』と書いてしまう」(池谷先生)

未来日記のポイント
①「これくらいならできそうかな」と思う範囲で書く。つまり、最初から「無理だ」と思ったら書かない(笑)
②ゆるく過ごす日にはあえて書かずに、オンとオフのメリハリをつける
②達成できなくても気にしない!

そもそも「できるんだ!」と信じることが重要なのだそうで、体操やフィギュアスケートなどで前人未到の技を決めた瞬間、「人間ってこんなこともできるんだ!」という共通の認識が生まれる。そこから周囲が瞬く間にその技を習得していくことはよくある話ですね。つまり、「ヒトってこんなことができちゃうんだ!」という認識こそが重要、だと池谷さんは言います。

「脳が人を騙すこともあるけれど、人が脳を騙すこともできる!」というわけです。

「起こったこと。思ったことを書き記して、きちんと言語化する浄化型セラピーか」。あるいは、「未来を過去形で書いて、自分の脳を騙す(!?)活性型セラピーか」。どちらの書き方であれ、そして、どんな内容のものであれ、“自分を記す”ことによる効能はとっても偉大だと思っています。

頑張らなくても書けるメモ程度の日記を綴ること。

私はこれからも、(大袈裟に言うなら)死ぬまで実践していきたいな、と思っています。

 

今日のお品書き
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