白シャツやデニムパンツ、Tシャツ、ノースリーブの黒タイトワンピ…。
誰にでも、そしていつの時代でも愛される、いわゆる“永遠のベーシック”と呼ばれるアイテムたち。
どれもティーンエイジャーの頃から慣れ親しんできた“朽ちない”もののはずなのに、「最近、着ると古くさく見えたり老けて見えたりしてサマになってない気がする」という理由で躊躇している、または、なんとなくそう感じてはいるけれど気づかないふりをして着続けている、なんていう大人の女性の声は意外と多い。
思えば、当時はあまり気づいていなかったけれど、20代前半までのようにパンと張った肌や重力に負けていないボディラインがあれば、それを一層眩いものへと引き立てるベーシックアイテムを纏った姿は最強だ。
またはもっと歳を重ねてシワシワのおばあちゃんになったなら、その身体に潔くピンと張ったミニマムベーシックな服を重ねるのはどれだけ素敵だろう。
そう、実はベーシック服って裸同然のドレスより、纏う人を浮き彫りにし、(それが例え嫌だとしても)あるがままの姿かたちを主役にする、いわば勝負(を挑まれる)服なのだ。
でも私たちは、若さでも歳を重ねた素敵さでも、その類の最も輝ける世代とは違い、なんだか中途半端。
自分自身をストレートに表す服を着こなすには最も難しい世代だ。
私の場合も、元々シンプルな服好きだったけれど、30代に突入する直前あたりから似合わないと感じ始め、今の今までベーシックを纏うことに違和感を感じたまま、向き合わずに過ごしてきてしまった。
でもそろそろ、ベーシックな服も着こなす準備を始めたい。
そう思い始めて早2年。
その間に、ベーシック服を着こなす同世代や少し上の世代のたくさんの素敵な方々と仕事をさせていただく機会があり、やっと私なりの糸口が見え始めたところ。
❶上質を匂わせるテリ艶を選ぶ
半端世代だからこそ、質感で大人の余裕を演出することは大切。毛玉のついたような加工のニットなどダメージデザインは、私には着こなせない。決して高価なものだけというわけではなく、でも、何に関しても光沢感とは違った、上質さを匂わせるテリや鈍いツヤのある質感が欲しい。
❷自立したシルエットに頼る
鍛えまくった完璧なボディの持ち主でもなければ、身体に沿いすぎるものはもう似合わない。とはいえ、ゆったりと身体のラインをまったく拾わないものも老けてドラえもんのように。だからこそ、少しモードの力を借りて、中に入れた身体の形に左右されすぎない、構築的な、または自立したシルエットのものを。
❸それでも着こなせないときは
着方を変えるのはひとつの策。昔から持っていて、最近着こなせないと感じたものもこの方法で。シャツならボタンを閉める数を工夫。スカーフを頭に巻いたり、大きめのイヤリングをつけるなど、主張の強いアクセントを足してシンプルベーシックだけに終わらせないのが私の手段。
数年前にシンプルベーシックなイメージの強い、あるスタイリストさんに取材した時の意外だった一言も私のヒントになるひとつのチップ。
「長く使えるものって実は究極にシンプルなものじゃなくて、流行とは関係のない自分だけの好きなディテールが組み込まれたベーシックだったりするのよね」
さて、あなたは今、ベーシックとどう向き合っていますか?今、ベーシックを素敵に着こなすコツはありますか?
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