昨今はエンディングノートの作成をする人も増えていますが、生きているうちに自身の財産を整理しておくことは大切です。金子稚子さんは7年前に夫である流通ジャーナリストの金子哲雄氏を亡くされましたが、その金子哲雄さんは存命中に自身の葬儀やお墓の準備まで全て行っていたことが話題になりました。現在、終活ジャーナリストとして活動されている金子稚子さん。生前にやっておくと良い「死後の準備」について解説してくれました。

アロマふくさんからの質問

Q. 夫婦二人だけの家族なので、どちらかが亡くなったときの準備を 今からしておきたい。
 

主人と二人暮らしです。子どもがいないし、近くに兄弟姉妹も住んでいないので、どちらかが亡くなった時は自分たちで対処しなければなりません。年をいってから急にいろいろな手続きをするのは難儀そうです。今から準備しておいた方が良い事柄、今からできる手続きなどを教えてください。自分たちでは以下くらいしか思いつきませんでした。
●戸籍謄本がすぐ取れるように住民票登録の場所に転籍した(自分の父親が亡くなった時に大変な思いをしたので) 
●銀行口座を各人1つにまとめつつある(口座凍結後の手続きが大変だと聞いたので)
●手書きだが遺言書を作成した
●60過ぎたら合同墓を本格的に調べようと思っている(手続きもできるならしようと思っている)
(50歳)


終活ジャーナリスト 金子稚子さんの回答

A. 身内、友人……、一番大切な準備は良い人間関係を築いておくことだと思います。


子どもがいるいないに関わらず、自分たちが亡くなった後の準備をしておくというのは良い心がけだと思います。人間ですから誰もがいつかは死を迎えるもの。50代になったら準備を始めてほしいと思います。ちなみに法律が改正され、今年の7月から、150万円を上限に遺産分割前でも故人の預貯金を払い戻せる制度が始まります。つまり、すぐに必要になる葬儀費用くらいは預貯金があればそこから払えることになりました。

私はと言いますと……、流通ジャーナリストだった夫が生前に全て準備をしておいてくれたのです! 夫のお墓には赤字でもう私の名前も彫られていて、今後の管理料も全て払い込まれています。このことは私にとって、すごく心の安定につながっています。あとは、独り身ですから万が一の時、いかに早く自分の死体を発見してもらうかだけ。それくらい整理されていますと、生きることに集中できるので本当にありがたいですね。ですから私は、もし今後再婚して入るお墓が新しくできたとしても、分骨をして夫が準備してくれたお墓にも遺骨を納めてほしいとお願いすると思います。

 
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