管理が大変だったり、墓守りをする子どもがいなかったりと、様々な理由から昨今は“墓じまい”をする人が増えています。お墓の権利を巡って揉めている相談者に対して、終活ジャーナリストの金子稚子さんは、様々な供養の方法について解説してくれています。

 

Chilipadiさんからの質問

Q. 管理のことで揉めているためお墓を移したいのですが、どこがいいのかピンときません。
 

お墓のことで悩んでいます。祖父、父は既に亡くなっています。その後祖母が亡くなり、相続問題で叔父と関係悪化。  母が管理をしていた墓を「自分が管理する」と一方的に告げられ、現在絶縁状態です。叔父夫婦は遠方に移住して子どももいません。私も姉も嫁いでおり、今後墓守をする人がいないこと、また私たちの子どもに重荷を背負わせたくないので、父の遺骨だけ別の場所へ移し、永代供養でいずれ夫婦墓とすることを検討しています。

しかし実際に移すとなると、手続きや費用の負担も大きいうえ、特に信心深くもないためお墓やお寺制度に違和感があり、移す先をどこにしたらいいかピンときません。母もうつ病を長く患っており、大きな決断や行動が難しい。お墓の購入にそれなりのお金も出しているため、「今のままでだめなのか?」と言います。散骨や樹木葬という形は好まないようです。

どんなに親族が嫌でもこのままにしておくほうがよいのか? もしくは母に何かあった際は納骨せず自宅保管にしておき、叔父の代の親族がいなくなった後に四体で永代供養がいいのか? 考えるほど混乱してきてしまいました。(37歳)


終活ジャーナリスト 金子稚子さんの回答

A. お墓問題は長い目で見ることが必要。お墓用のお金を準備しつつ、ゆっくり検討されるのが良いかと思います。

まずはお悩みを整理させていただきますね。Chilipadiさんのお祖父さまとお祖母さま、お父さまは亡くなっていて、お父さまは長男ということなのですよね? つまりご存命であるお母さまは長男の嫁ということ。そこでお父さま亡き後、祖父母のお墓をお母さまが引き継いだものの、お父さまの弟(Chilipadiさんにとっては叔父)との関係が悪化し「自分が管理する」と言い出した、ということでよろしいでしょうか? 

率直に言いますと、このお墓問題はこのまま放置しておきますと、Chilipadiさんとお姉さんに降りかかってきます。なぜなら叔父さまには子どもがいないとのことですから。深読みしますと、叔父さまはお墓の管理だけでなく、自分たち夫婦もこのお墓に入りたいと考えているような気がします。新しいお墓を建てるのはお金がかかりますから、すでに費用が支払われているこのお墓を横取りしたい、というのが本音かもしれません。そして、その後はChilipadiさんやお姉さん、そしてお二人の子どもたちに墓守りをしてもらおう、とまで考えている可能性もなきにしもあらずだと思います。ご親族を悪く言って申し訳ありません。でも、そういった長い目でこの問題を見つめ、解決法を考えることが大切だと思います。

 
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