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板谷由夏のおしゃれ哲学「20代の頃は女らしさと折り合いがつかなかった」

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ファッションはもちろん、ライフスタイル、そしてそのキャラクターに多くの女性ファンを集める女優、板谷由夏さん。昔からおしゃれへの好奇心の高さとこだわりは抜きんでていたようです。既に自分のスタイルを確立していた小学生時代から、スーパーモデル全盛期の学生時代、さらに二児の母となった現在まで、板谷さんが歩んできたおしゃれ遍歴をうかがいました。

ワンピース、デニム/シンメ(チェルシーフィルムズ) ストール/エルメス 靴/コンバース トップス・ネックレス/ノーブランド

女優・板谷由夏さんのプロデュースするデニムブランド「SINME(シンメ)」が、スタイリストや雑誌のエディター、セレクトショップのバイヤーなどから熱い注目を浴びている。なぜ板谷さんはSINMEをスタートしたのか。そのおしゃれ哲学とは? トレンドに左右されず、年齢を重ねてもずっと愛し続けられるスタイルを見つけることができた理由とは?

 

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撮影に現れた板谷由夏さんは、この日もおしゃれだった。キャメル色のニットにデニム、耳元にはブラックパールのピアスが揺れる。ごくごくベーシックなアイテムを重ねただけなのに、どこか女らしい。肩の力が抜けた大人のカジュアルとは、なるほどこういうものかと、あらためて気づかされる。「好きなものは、面白くないくらい変わらないんです」 そう言いながら、艶のある声でからりと笑う。デニム、シャツ、シンプルなニットにスニーカー、ローファー。ワードローブの中心を占めるのは、ベーシックなアイテムばかり。それは40代になった今も、おしゃれに目覚め始めた少女の頃と変わりはない。変わったことといえば、手に取るものの質感が上質になった、ただそれだけ。

 

少し前、子ども時代の写真を見返すうち、さまざまな光景がよみがえってきたという。たとえば小学校の入学式で、周りのみんながフリフリのワンピース姿を競う中、自分は紺のブレザーにネクタイを締め、ネイビーとグリーンのタータンチェックのスカート、ハイソックスに足元はローファーだったこと。ピンクとは無縁で、着るなら赤だったこと。そもそも今に続くトラッド好きは、母の影響だったこと。

生まれ育った福岡はトラッドファッションが深く根付き、おなじみのベーシックブランドに触れるには事欠かない街だった。高校生の頃の定番スタイルといえば、セントジェームスのボーダーシャツにピカデリーのパンツ、トリッカーズのブーツを合わせてエルベシャプリエのトートバッグを持つ。ときにはトレンチやステンカラーのコートをはおり、ジョンストンズのマフラーを巻いたり、ベレー帽をかぶったり。どのアイテムも、それらを重ねたコーディネートをくっきりと描くことができる。さらにいえば、毎日のおしゃれに心躍らせながら、快活に笑う板谷さんの姿も目に浮かぶよう。

「とにかく洋服が好きで、ファッション雑誌も大好きで。タワーレコードの洋書コーナーで、よく海外の雑誌を買っていました。ちょうどスーパーモデル全盛期で、私が好きだったのはケイト・モスとクリスティ・ターリントン。デビュー間もない頃のケイトが『ドゥファミリィ』のモデルに起用された広告を雑誌で見つけては切り抜いたりしていましたね」 

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