こんにちは!
「失敗は成功のもと」と言われつつも、人生も旅も同じ、その失敗はなるだけ小さく収めたいと思っている太田でございます。
さて、久々のひとり旅。「ニューヨーク・ニューヨーク」を口ずさみながら、ご機嫌でジョン・F・ケネディ空港に到着しました(本当はライザ・ミネリばりに歌い踊りたかったくらいにワクワクだったのですけどね。笑)。

数十年ぶりの一人旅で学んだ掟は「“ワクワク”を見せない」こと【『母とヨーロッパへ行く』番外編】_img0
ブルックリンのイーストリバー沿いの遊歩道から見たウォール街。こちらの遊歩道、夕暮れはさらに美しいそう。
 

ホテルのあるマンハッタンまで行くのにウーバーを呼ぶつもりでいましたが、いざ空港に着いてみると、ピックアップしてもらう場所はどこにしようか、会えなかったらどうしようかなどと考えるとちょっと不安に。早々にウーバーはあきらめ、タクシーを使うことにしました。タクシー代金は、空港からマンハッタンまで一律(安心です)52ドル。そこに橋の通行料、チップなどを含めてだいたい70ドルくらいになります。

タクシー乗り場と思われる大きな看板を見つけ、あったあったとその出口に向かって歩き出しました。外に出てみると、皆が並んでいるタクシー乗り場は確かにそこにあるのですが、私のいる出口からは入れないようにロープが張られています。
「あら、どこからあそこに行くのかしら」と、中に入ってもう一度確認したら、「TAXI INSIDE」の看板が……。“インサイド”ってどこのことだろうとキョロキョロ不安そうな顔をした瞬間、ロープの中のタクシーを待つ人ごみの中から褐色の肌をしたかっこいいお兄さんが私に向かって「TAXI?」と声をかけてきました。

「君、タクシーを探してるの?」
「そうです」
「ここからは乗れないよ。TAXI INSIDEって書いてあるでしょ。建物のINSIDEから乗り場に行くんだ。それに君はどこ行くの?」
「マンハッタンよ」
「それなら、ここはクイーンズとブロンクス行きだから違う場所だよ。案内してあげるからついてきて」

怪しい……。
うーん、これって白タクじゃないの?? 躊躇している私に彼は畳みかけます。
「もしかして、疑ってるの?(首から下げているライセンスカードのようなものを私に提示しながら)僕は、空港の案内係なんだ。だから安心して」
怪しいと思いながらも、一応ライセンスカードは持っているし、実際に私はタクシー乗り場を探しているわけだし、と彼が案内するエスカレーターを上がっていきました。
「日本人だよね。日本はいいよね。ぼく鮨が大好きなんだ」と感じよくしゃべり続ける彼。「さあ、ここからまっすぐ行ってあのカウンターを右に曲がって出口から出るんだ。じゃあね!」と案内係の彼はあっけなく立ち去って行きました。

 
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