こんにちは!
久々のひとりニューヨーク旅。空港に着いた早々、危うく白タクに騙されそうになったわけですが……その後は無事、“正しい”タクシー乗り場にたどり着き、ニューヨークに来て10年だというバングラデシュ出身の運転手さんのタクシーでホテルへと向かいました。

故郷に戻る予定はあるのかと彼に尋ねると、
「先のことはわからないけれど、今のところ戻る気はないな。2歳の子どもがいるんだ。その子のためにもニューヨークにいたほうがいいと思って。自由があるし、いろんなチャンスもあるからね」
と答えてくれました。そんな、チャンス溢れる自由の街、ニューヨークへやって来たのです。ベンガル語訛りでしゃべる陽気なお兄さんと話していくうちに、いつの間にか白タク事件の恐怖心も遠のいていき、どんどん高揚感に変わっていきました。

 

さて、高揚感マックスで着いた今回の滞在ホテルは、ニューヨーク唯一の日系ホテル、「ザ・キタノ・ホテル・ニューヨーク」です。私にしては珍しく、日系のホテルを選びました。

前からニューヨークに行ったらキタノホテルに泊まりたいと思っていたのです。落ち着いたベージュ色を基調とした、ちょっと昭和の香りするノスタルジックな内装の部屋が素敵だったこと。日本の帝国ホテルからも社員が出向しているというホスピタリティに興味があったこと。そして、久しぶりの一人旅だったので、ベースキャンプとなるホテルは日本語も通じる安全で安心な場所にしたかったからです。こぢんまりした規模だったこともあり、まさにホームと呼ぶのにぴったりの場所でした。

キタノホテルの部屋。“昭和”を連想させる、この落ち着いたインテリアがたまりません。なんといっても、やはり落ち着くのです。

世界一エネルギッシュといわれる街を、最大限の緊張感とワクワクの中で目一杯エネルギーを使いながら、見て、体験して歩き回りました。毎日、ホテルに戻る時はヘトヘトです。ドアマンに笑顔で迎えられ、居心地の良い部屋にたどり着き、「つかれた~」とソファに身を投げ出す。その瞬間がこのホテルにしてよかったと一番感じるときでした。知らない土地でゆったりとくつろげる、守られた場所があるというのは本当にありがたいことです。

ただ、(私は大満足でしたが)ニューヨークの最先端のデザインや雰囲気を求めている方には、ちょっと物足りないかもしれませんね。私自身、旅先ではその土地を体現しているホテルに泊まりたいと思うタイプで、これまでも実際そうしてきました。
実はキタノホテルを予約したのちも、超ホテル好きの私、せっかくニューヨークに行くのだから……もっと良いところがあるかもと、セントラルパーク沿いの5ツ星ホテル、それもセントラルパークを見下ろすパークビューの部屋などをチェックしたりしてみました。が、何しろ高い!! 

一人旅だと、部屋の料金がそのまま自分だけの料金になります。母と一緒だと、ふたりだから「まあいいか」と、少々お高くても「えいっ」と予約することもありますが、今回ばかりは、分不相応、バチが当たりそうで手が震えて予約できませんでした(笑)。
キタノホテルは、スタンダードルームで3万円くらいから。私は、一つ上のクラスのソファスペースがある部屋を選びましたが、この夏のシーズンで1泊3万円代後半から4万円半ばくらいでした(曜日によって違いました)。4ツ星クラスのホテルでこの料金は、ニューヨークにしてはまあまあ良心的ではないでしょうか。

 
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