年齢を重ねるにつれて「太りやすく、やせにくい」からだになってきたと感じる女性は多いのではないでしょうか。30代後半を過ぎたあたりから食事制限をしても運動をしても思うような結果は出ないのに、脂肪がつくスピードは加速……。そんな絶望的な状況から脱出するにはどうしたらよいのでしょう?
日本人女性を対象に35年以上も下半身やせ&ダイエット指導をしてきたナターシャ・スタルヒンさんは「40歳に突入しようとしている、あるいは、すでに超えてしまったあなたが、お尻まわりや太もも、そしてお腹に居座る脂肪を減らしていくためには、“ホルモンバランス”を意識していかなければなりません」とおっしゃいます。
そこで、ナターシャさんの下半身を細くするノウハウをまとめた『脚もお腹もお尻もスッキリ! 40歳からのホルモンリセット』から、下半身やせのカギとなる女性ホルモンと解毒効果のある食材をご紹介します。
女性ホルモンが下半身に脂肪を誘導する?!
40歳を過ぎると、脂肪を減らす方向に働いてくれるさまざまなホルモンが減少し、ほかのホルモンとのバランスも崩れてきます。あなたを太らせるのかやせさせるのか、どこに脂肪を蓄積させるのか、筋肉量をどれだけ増やすのか減らすのか、すべてはあなたのホルモン次第です。あなたの体内で起こるすべての代謝をコントロールしているのがホルモンだからです。
女性の美容や健康はもちろん、これから下半身を細くしようとしているあなたに特に関係深いホルモンだけでも
・女性ホルモン
・甲状腺ホルモン
・成長ホルモン
・コルチゾール(ストレスホルモン)
・セロトニン(幸福ホルモン)
・インスリン
・レプチン
などがあります。
その中で、卵巣でつくられる女性ホルモンが、エストロゲンとプロゲステロン。排卵や生理リズムをコントロールし、妊娠や出産だけでなく女性の体や心の不調にも深く関わります。
エストロゲンは、お尻や腰まわりの皮下に脂肪を蓄積させていきます。もう一方のプロゲステロンは、太もものつけ根から膝の上までの大腿部に皮下脂肪をつけます。また、下半身太りやセルライトで悩んでいるあなたは、水分の停滞やむくみをともなっているはず。これがセルライトの発生にも関わってくるのですが、水分の停滞は、プロゲステロンのしわざです。閉経で女性ホルモンが減ると、脂肪は太ももやお尻などではなく、お腹まわりに蓄積するようになります。
40歳前であっても、太ももやお尻まわりの脂肪の分解速度は遅く、分解されない脂肪が残ったまま新たな脂肪が蓄積されていきます。
エストロゲンが減れば、お尻や太ももの脂肪は自然になくなる?
日本女性の平均的な閉経年齢は50.5歳とされ、その十数年前から卵巣の働きの低下とともにエストロゲンは減ってきます。このとき、ほかのホルモンとバランスをとりながら減ってくれれば、いいのですが……。
エストロゲンは、なだらかな曲線を描きながら徐々に減るわけではなく、ときには正常値を大きく超えるほど高くなったり、急減したりと、鋭い乱高下をくり返しながら減少していきます。こうした激しい変化にほかのホルモンはついていけません。そのため、ほかのホルモンと保たれるべき適切なバランスが、とれなくなってしまうのです。
アラフォー世代から、プロゲステロンやテストステロンなども減少していきます。エストロゲンは閉経時までに平均的基準線から40~60%低下するだけなのに対し、プロゲステロンの低下率はずっと大きく、ゼロに近くなることもあるとか……。このため、プロゲステロンに対してエストロゲンが多くなり、エストロゲン優勢という困ったバランス状態をつくりだします。あなたを太らせ、下半身への脂肪蓄積を加速させるばかりか、さまざまな更年期特有の不快な症状をもたらすことになるのです。
エストロゲンは、あなたの脂肪細胞内でもつくられています。あなたが身にまとっている肉布団が厚ければ厚いほど、より多くのエストロゲンがつくられ、さらなるエストロゲン優勢状態になっていきます。
さらに、体内でエストロゲンに似た作用をするキセノエストロゲン(プラスチック、化粧品、毛染め、農薬、PCB、グリコール、そのほか何百もの化学製品に含まれる)やフィトエストロゲン(植物エストロゲン。食品に含まれる)などの存在も無視できません。このうえ、過剰なエストロゲンを排出する肝臓の働きや腸内環境によっても、バランスに影響が……。
アラフォー世代から40代後半ごろまでは、まさにエストロゲン優勢の状態に陥りやすいといえるのです。
エストロゲン優勢状態から抜けだし、健全なホルモンのハーモニーをとり戻すには、食生活、そしてライフスタイルを見直していくことを最優先に考えましょう。
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