米倉涼子さんが、過去に観た映画を紹介するアーカイブ コレクション。
そのときに観た映画から、米倉さんの生き方、価値観が垣間見えます。
女性の体を美しく映した『ファイアbyルブタン』を以前紹介しましたが、今回おすすめするのは男性ストリップを題材にした『マジック・マイク』。フランス人が作った繊細なショーとはまったく違う、アメリカのお国柄が出るステージシーンがたっぷりと登場します。
おしゃれ感はないけれどわかりやすくセクシーで、警官やカウボーイの衣
装もコスプレのようで面白かった! 女性たちを喜ばせるためのストリップショーですが、ダンスに抜かりはなし。
ちょっとやりすぎ!? と思わず笑ってしまうような演出がありつつも、映画を通して本物の汗を感じることができるような、意外なほど本格的なダンスが見られます。彼らが一生懸命だから伝わるものがあって、クラブのボスを演じたマシュー・マコノヒーなんて「これは見ておかないと!」と思わせる気迫が感じられました。
女性たちにとっては非日常を楽しむ空間ですが、働いている男性たちにとっては大変な場所。ブロードウェイを目指している人たちと近いものがあるのかな、という気もしましたね。
芸能の世界だから男同士の嫉妬もあるだろうし、足のひっぱりあいもあるかもしれない。夢を追いかける青年を主人公に、少しほろ苦い面も描き出した成長映画にもなっているな、と感じました。
このページは、女性誌「FRaU」(2014年)に掲載された
「エンタメPR会社 オフィス・ヨネクラ」を加筆、修正したものです。
『マジック・マイク』
夢を持ちながらメンズストリップショーの世界で生きる男たちの姿を描く。主人公を演じたチャニング・テイタムの実体験を、スティーヴン・ソダーバーグ監督が映画化。