米倉涼子さんが、過去に観た映画を紹介するアーカイブ コレクション。
そのときに観た映画から、米倉さんの生き方、価値観が垣間見えます。
17世紀、ヴェルサイユ宮殿の庭園建設に参加することになった女性庭師、サビーヌの物語です。ケイト・ウィンスレットは、この時代のたくましいヒロインがやっぱりよく似合う! 土にまみれながら仕事をする姿が美しかったし、大人の恋愛もある。日本でももっとこういう豊満なスタイルの女性が認められる時代がくればいいのになと思いました。
セリフで説明しすぎず映像で語るタイプの作品なので、衣裳のディテールにもこだわりがたっぷり。サビーヌはリネンを身に着けていて、キャラクターそれぞれの衣裳の違いを見る楽しさもあります。
『黄金のアデーレ 名画の帰還』を観るともう一度ノイエ・ギャラリーに足を運びたくなり、『ヴェルサイユの宮廷庭師』を観たあとはヴェルサイユ庭園がまた観たくなる――。映画は好奇心を刺激して、また新たな視点を与えてくれるエンターテイメントだなと、あらためて感じました。
このページは、女性誌「FRaU」(2015年)に掲載された
「エンタメPR会社 オフィス・ヨネクラ」を加筆、修正したものです。
『ヴェルサイユの宮廷庭師』
1682年。フランスの田園地方で、造園家という天職を見つけたサビーヌ・ド・バラ。彼女のもとに書状が届き、面談の末ヴェルサイユの造園を任せられることになる。野趣あふれるデザインをするサビーヌと伝統を重んじる責任者は対立していたものの、やがて心を通わせはじめ……。名優、アラン・リックマンが監督を手がけた人間ドラマ。