今年上半期、もっとも話題になったドラマのひとつといえば「きのう何食べた?」でしょう。
普段テレビドラマを見ない私も、もともと原作のファンだったこともあり時折放送をチェックしていました。深夜枠だったのにも関わらずの高視聴率、「きのう何食べた?展」も開催されるほどの大人気だったそうです。

実は、こうした「食」をテーマの中心にした「食マンガ」ジャンルが今大人気。タイトルだけでも3桁を超え、多くの名作が生まれています。

食いしん坊必読! 食事シーンに垂涎&お役立ちなおすすめ「食マンガ」7選_img0
 

「食マンガ」というと、『美味しんぼ』や『クッキングパパ』、『ミスター味っ子』あたりはご存知の方も多いのでは?『美味しんぼ』は社会系・時事問題も取り込みながら食やおいしさの本質にふれようとする「食マンガ」の金字塔。111巻という超ロングラン作品(2014より休載中)です。『クッキングパパ』も148巻。対決や勝負などはなく、ごく普通の日々の中での料理が描かれています。男性が料理をすることが趣味の範疇であった連載開始当時(1985年)、パパが料理をすることを隠していたのが時代とともに性別に関係なく料理を楽しむ路線に変わっていくのも面白いです。『ミスター味っ子』は勝負・対決系。食べた時のリアクションの大きさが話題になりました。

 

人の生き様やドラマを描く時、「食べる」シーンというのは必要不可欠です。

そこにクローズアップすることで、その人の価値観や一緒に食べる人との関係性や時代性まで浮かび上がってきます。

私は仕事柄&生来の食いしん坊のせいか、あらゆる小説や映画、マンガの「食シーン」が大好きです。いや、むしろ「食シーン」で作品を覚えているものもあると言っていいくらい。

例えば、「なんだっけ?あの作品のタイトル。ほら、夜中に食べたカツ丼があまりにおいしいんで彼に食べさせたいって、プラパックにテイクアウトして人んちの屋根に登って侵入する、あれだよ!思い出した!吉本ばななさんの『キッチン』!!」という具合に。

当然、「食マンガ」も好き。時間がある時は、本と同じくらい「食マンガ」も読んでいます(といっても最近はあまり読む時間がありませんが・・・涙)。

今回は、そんな私がオススメしたい「食マンガ」をご紹介します。

甘々と稲妻』雨隠ギド(講談社)

妻を亡くし5歳の愛娘を育てるパパの奮闘記。

「大切な人の笑顔のためにごはんをつくる」ことの喜びを教えてくれる作品。第1話から涙なしには読めません。簡単なレシピがついていて、再現可能。

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「食マンガ」はよく作中のレシピをまとめたレシピブックが出版されます。実は産後3ヶ月での私の撮影復帰第一弾はこの『甘々と稲妻ーつむぎとつくれるおうちごはん』でした(レシピの作成は帯刀陽さん)。どれも簡単だけれども、大好きだったママの味を再現しようとがんばっている工夫に胸がジーンとします。産後直後だったこともあって「私、この子のためにまだ死ねない!」と大号泣しながら作品を下読みした思い出深い作品です。

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『甘々と稲妻ーつむぎとつくれるおうちごはん』


いつかティファニーで朝食を』マキヒロチ(新潮社)

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​『いつかティファニーで朝食を』1巻

アパレル業界で働く主人公・麻里子。

恋愛、仕事、友達、家族。日々がんばる女性の心の栄養になるような朝食と朝食シーンがたくさん登場します。実際のお店が登場するので「いつかティファニーで朝食を」巡りをしたくなります。

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山と食欲とわたし』信濃川日出男(新潮社)

「山ガール」とは一線を画す本格的登山女子の山とごはんのお話。

山の上でもこんなに充実したごはんが食べられるんだ!と道具の進化と主人公の食欲・創意工夫にびっくり。最近ブームのキャンプにも活かせそう。

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広告会社、男子寮のおかずくん』オトクニ(クロフネ)

男子寮にくらす同じ会社の4人が毎週金曜日に持ち寄る週末持ち寄りごはんがおいしそう。

仕事って、仲間っていいなと思わせてくれる作品。

すぐに試せそうな奇をてらわない料理がステキ。

*番外編

凪のお暇』コナリミサト(秋田書店)

ドラマ化で話題の作品。厳密には食マンガではないけれど、凪の節約系レシピが時々登場します。例えばゴーヤ。ワタごと輪切りにして素揚げにするとおいしい、ということを私はこの作品で知りました。高温でサッと揚げるのがポイント。

『特撰 思い出食堂』アンソロジー(少年画報社)

色々な作家さんの短編集。懐かしいほっこり系のお話が多くて思わず涙ぐんでしまうことも。

極主夫堂』おおのこうすけ(新潮社)

不死身の龍は、主夫になってもすごい。家事をする時は結構ちゃんとエプロンをつけている、シュールでかわいらしい元ヤクザ主夫のお話。

まだ読んでいないけれど、気になっているのは『オリオリスープ』(綿貫芳子/講談社)、『リトルフォレスト』(五十嵐大介/講談社)、『日日べんとう』(佐野美央子/集英社)あたりです。

「猛暑で出かけたくない。でもNetflixも見飽きたわ」というみなさま、この夏は「食マンガ」いかがでしょう?