フードジャーナリストの小松宏子さんが、最新の食のトレンドを紹介します。
まだまだ残暑の厳しいこの時期に差し上げるのは、常温で持ち歩ける手土産がスマートです。夏の疲れがたまった体がピリッとするような、スパイス類はいかがですか? 手土産の鉄則の一つが、“自分では買わないけれど、いただいたら嬉しいもの”。それを考えたとき、キッチンに置いて絵になるおしゃれなスパイス類や調味料は、グッドセレクトです。
① 料理が“まあ美味しい”から“超美味しい”に変わる胡椒
胡椒を侮ることなかれ。最もベーシックなスパイスながら、胡椒の違いで、お料理が“まあ美味しい”から“超美味しい”に変わるのですから。上等な胡椒をペッパーミルで挽いたときの、清涼感のある香りに包まれる幸せといったらありません。
イタリア食材のインポーターである「ノンナ アンド シディ」のオーナー岡崎玲子さんは古くからの友人ですが、彼女のイチ押しのアイテムの一つが、このマリチャの胡椒。イタリアではその昔、胡椒はカフェで売っていたのだそう。そうした経緯があり、イタリア・ヴェローナのカフェオーナーが世界中の胡椒産地を旅して見つけ、惚れ込んだのが、マレーシア産の「クウチング」種。収穫後24時間以内に加工することで、卓越した香りを閉じ込めることができるのだそう。樹齢や工程により、何種類もありますが、ここではおすすめの3種、刺激の強い「ネロ」、最も香り高い「アロマティコ」、山椒の一種「ティムール」を選びました。
また、乾燥した胡椒のほかに、グリーンペッパーの塩水漬けも販売しています。粗く砕いてカルパッチョなどに添えるだけで、美味しさのレベルが何段階も上がります。この塩水漬けの胡椒にオリーブオイルを加えてペースト状にするのが、私のお気に入りの使い方。ローストポーク、ラムチョップ、チキンソテーなど、肉類とはなんでも抜群の相性です。ぜひ、試してみてください。
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